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巻き戻り前
夫婦の亀裂2
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私の為に作ってくれた庭園で他の女性と楽しそうに時間をすごすレオナルドはもう、私の知らない他人のようだった。
私は、そのまま部屋へ戻って涙が枯れたのではないかというくらい涙を流した。
それ以降、私がその庭園に足を踏み入れることはなくなった。
夕食の時間もリズリー様とご一緒されているようで、私はあの広い食堂でいつも一人で食ている。
しかし、ある日私が夕食を頂いていたところに、レオとそのたくましい腕にエスコートされたリズリー様が偶然やって来た。
まるで情事のあとかのように、頬を上気させたレズリー様は私を見てニタッと笑ってきた。
二人寄り添って夕食を共にする姿はまるで本物の夫婦のようだった。
呆然とする私の視線に気が付いたレオはチッと舌打ちをしたかと思うと、早く自分の部屋に戻るように吐き捨ててきた。
「おい、なんだその目は。そんなに気に食わないならさっさと出て行けばいいだろう?せっかくの楽しい時間がお前の陰気臭いオーラで台無しだ。少しはレズリーを見習うんだな。」
「そんな、奥様に向かってレオったら。奥様、申し訳ございません。」
「リズリー、ああ、君はなんて優しい女性なんだ…。」
私を悪者のように扱いその妻をかいがいしく庇う愛人。
まるで白けた二人芝居を観客席で見せられている気分だった。
言いたいことを言い終えたらしいレオはレズリー様にキスを送ると、まるで私がそこにいないかのような二人の世界を堪能していた。
そして私は、無言のまま悲しみに打ちひしがれ部屋へ戻っていくしかなかった。
レオは変わってしまった。あれは私の知っているレオではない…。
どうして私がこんな目に合わなければならないのかと絶望に打ちひしがれた。
それからは、彼らを避けるように食事は全て自室でに運んでもらうようにした。
私は、そのまま部屋へ戻って涙が枯れたのではないかというくらい涙を流した。
それ以降、私がその庭園に足を踏み入れることはなくなった。
夕食の時間もリズリー様とご一緒されているようで、私はあの広い食堂でいつも一人で食ている。
しかし、ある日私が夕食を頂いていたところに、レオとそのたくましい腕にエスコートされたリズリー様が偶然やって来た。
まるで情事のあとかのように、頬を上気させたレズリー様は私を見てニタッと笑ってきた。
二人寄り添って夕食を共にする姿はまるで本物の夫婦のようだった。
呆然とする私の視線に気が付いたレオはチッと舌打ちをしたかと思うと、早く自分の部屋に戻るように吐き捨ててきた。
「おい、なんだその目は。そんなに気に食わないならさっさと出て行けばいいだろう?せっかくの楽しい時間がお前の陰気臭いオーラで台無しだ。少しはレズリーを見習うんだな。」
「そんな、奥様に向かってレオったら。奥様、申し訳ございません。」
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そして私は、無言のまま悲しみに打ちひしがれ部屋へ戻っていくしかなかった。
レオは変わってしまった。あれは私の知っているレオではない…。
どうして私がこんな目に合わなければならないのかと絶望に打ちひしがれた。
それからは、彼らを避けるように食事は全て自室でに運んでもらうようにした。
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