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サミュエル
無神経2
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なぜ新国王となった自分が、兄の妻であったブリアナを引っさげて挨拶周りをしようなど思ったのだろうか。
自分の常識はずれな行動に、思い出しただけで今でも笑いが零れる。
王妃となったローズを放ってブリアナの手を取り客人たちとあいさつを交わすなんて本当にローズに対して無神経だったと後になって後悔した。
挨拶回りが終わりやっとローズの元に戻ったが、ブリアナは依然として私の腕から頑なに離れようとはしなかった。
ブリアナを振りほどくことも出来なかった私にローズは呆れていたのだろうな。
ローズの顔色が悪かったのにルイスに言われなければ気が付かなかった。
そして義姉ブリアナを腕にぶら下げつつ、妻と妻の家族と談話している異様な己自身の状態に気が付くこともなかった私は、愚かだったとしか言いようがない。
鈍感で無神経な私がローズを傷つけてしまったのではと思い至り、焦った私は控室でローズを思わず抱きしめてしまった。
それなのに私は過ちを繰り返してしまった。
かつてブリアナが兄上と共に食事の時間を楽しんだであろうその席は王の妻である王妃が使う席と決められていた。
本来ブリアナに代わり王妃となったローズの座るべきその場所を、ブリアナがどうしてもといってきかないので、心優しいローズならわかって許してくれるだろうと勝手に思い込んでブリアナに使わせていた。
なぜブリアナがローズの座るべき場所にいることを許したのか、なぜローズなら大丈夫だと思い込んでいたのかと今更ながら深く後悔する。
そして今ならわかる。
ブリアナはローズを傷つけるためこれらの言動を故意にやっていたのだと。
もし逆の立場だったらどうだ。
夫である私が座るべき場所に他の男が我が物顔で居座り、ローズもそれが当たり前のように受け止めていたとしたら。
想像しただけで殺意が沸く。
そしてそんな簡単なことにさえ気が付かなかった当時の私は、ローズに愛想をつかされて当然だったと思う。
自分の常識はずれな行動に、思い出しただけで今でも笑いが零れる。
王妃となったローズを放ってブリアナの手を取り客人たちとあいさつを交わすなんて本当にローズに対して無神経だったと後になって後悔した。
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それなのに私は過ちを繰り返してしまった。
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もし逆の立場だったらどうだ。
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想像しただけで殺意が沸く。
そしてそんな簡単なことにさえ気が付かなかった当時の私は、ローズに愛想をつかされて当然だったと思う。
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