初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人

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ローズ

里帰り2

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「ローズ…私が悪かった。すまなかった、ローズ。」 

そう言ってローズを抱きしめるサミュエルの腕は決してローズを解放しようとはしなかった。

久しぶりに感じるサミュエルの暖かさと匂いにローズの涙腺は崩壊した。 

「ローズ、君だけを愛しているよ。私を信じてくれ。」 

そう言ったサミュエルにローズは横向きに抱きかかえられ、しゃくりあげながら流れる涙はサミュエルから全て優しく吸い取られていった。 

サミュエルの前でこんな醜態を見せたのが初めてのローズは羞恥で顔をしばらく上げることが出来なかった。 

自分が落ち着くまでずっと抱きしめてくれているサミュエルに、そろそろおろしてくれと頼んでも決しておろしてはもらえないローズは、サミュエルの自分への愛を本当にもう一度信じてもいいのだろうかと自分の心に問いかけた。 

 
「ローズ。これは私の言い訳だ。聞いてくれ。

君の容態が悪くなったと聞いた私は、すぐに君に会いに部屋を飛び出したんだ。そうしたら、そこにブリアナ義姉さんの使いのものがいてね。

彼女も容態を崩して涙を流して私を待っているので今すぐ来てほしいと伝えてきたんだよ。正直、すぐにでも君のところに向かいたいんだと声を大にして言いたかったがね。」

「…。」

「自分のことは棚に上げているようでこんな言い方はしたくはないが、私はブリアナ義姉さんのわがままと無神経さには厄介なものを感じていたんだ。

だから不本意ではあったが、さっさと顔だけ見せて満足させて、すぐに君のところに行こうとしたんだ。

しかし僕の顔を見たブリアナ義姉さんが僕の袖を絶対に離さないとばかりつかんで泣いてしまってね。

ローズなら大歓迎だけど、ブリアナ義姉さんが涙をあんなときに流すなんて厄介なものだと思ったよ。
結局医師はただの疲労か何かだと診断を下したのに、本人は具合が悪いとかなんとか言い張って泣きわめくものだからね。

その場をなんとか離れローズの元に向かうのに時間がかかってしまった。大変な時にすぐに君の元に駆けつけられなくて本当に申し訳なかった。」 

話し終えたサミュエルは、子供がそうするかのように項垂れていた。
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