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第13話 美少女たちと昼食2
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「キララちゃんのどこが好きなの?」
庄司さんのその言葉でクラス中の空気が変わった。
踏み絵的な? このクラスの異様な一体感はこの踏み絵的なことで保たれているのか?
まじまじと僕の顔を見つめてくる庄司さんたち四人の美少女。
日向なんかは僕と顔がぶつかっちゃうんじゃないかってくらい顔を近づけてくる。
そういうことか? こういうふうにして好きなことを話しているから、大神くんを退けることができたのか?
「いいのよ話して」
「え、えーと……」
やっぱり難しい。自分だぞ、一応雲母坂キララは僕なんだ。
どこが好きって、どこが好きって……。
絵、は変だよな。キララとして出してないし。
キララ自身を絵って言うのはなんか違うし、キララの見た目ってのも嫌なやつと思われそうじゃないか?
「もしかしてだけど、そもそもキララちゃんのことは知ってた?」
黙り続けていたせいか、楽しそうな笑顔を一転させ疑わしげな目を向けてくる庄司さん。
当然の疑問だ。
どうしよう。そうだ。
「し、知ってるよそりゃ。もう四年くらい配信してる女の子でしょ?」
合ってるよな? どれくらいやってるかなんて自分でも自信ないけど。
「へーすごい。それ最近怜が話してたよね。パッと出てくるのなんてこのクラスじゃ他に怜くらいじゃない?」
感心したように言ってくれる関根さん。
「そ、そうね」
なぜか顔を赤くしながら、僕から目線をそらす庄司さん。
しきりに髪をいじり出し落ち着かない様子だ。どうしたのだろうか、庄司さんらしくもない。
「と、とにかく。木高くんがキララちゃんのファンだってことはわかったわ」
「え、今ので?」
「ええ。今ので充分よ」
そうなのか? 好きなところの話はどこいった?
まあ、僕としては自画自賛しなくていいのはよかったが。
「話したいから場を作りたいって言ってたもんね怜ちゃん」
「い、今その話はいいでしょ。木高くんにキララちゃんのことを聞く会なんだから」
そんな名前の会だったのか。
しかし、もしかして庄司さんって普段はこんな感じなんだろうか。
大神くんから避難するばかりで、あまり周りは見えていなかったせいで知らなかっただけで、完璧で冷酷な美女って感じではないのかもしれない。
少なくとも、今の庄司さんから受ける印象はそうだ。
失礼かもしれないが、案外表情がコロコロ変わってかわいらしいかもしれない。
「とっさの嘘じゃなくて安心したわ」
まあ、疑われていたようだしお互い様か。
「影斗はそんな人じゃないってー。それに、キララちゃん好きに悪い人はいない、でしょ?」
日向からの信頼はありがたいけど、キララ好きに悪い人はいないことはないんじゃないか?
「そうね」
そうね!?
思わず昨日のように飛び上がりそうになって、今日はこらえた。
冷静に言ってるが、かなりぶっ飛んでるだろ。
その気持ちは嬉しいけどさ。
いや、なんで今のはみんな流してるの?
「影斗くんどうしたのぉ? にやけちゃってぇ。もしかして若菜たちにほれちゃったぁ?」
ニヤニヤしながら白鷺さんが聞いてくる。
「ええ!?」
日向の大袈裟なリアクション。
いや、タイミングおかしいだろ。
「影斗……どうなの?」
急に不安そうな顔で見つめてくる。
「あ、いや。まさか人とこんな話ができるなんて思ってなかったからさ。嬉しくてつい、ね」
そう。僕は今までキララのことを話す相手なんていなかった。
自分が配信者本人だからってこともあるけど、そもそも友だちが日向しかいなかったのだ。
そんなことを正直に話したら、少しその場の空気が重くなるのを感じた。
「ありがとう。こんな場を設けてくれて」
「純粋! からかった若菜が悪い子みたいじゃーん」
「え、いや、そんなつもりはないよ」
「わたしとは話してたでしょー」
「そうだけど、でも、雲母坂キララ、ちゃんの話はしてなかったよ」
「今つっかかった。女の子をちゃんづけで呼ぶの抵抗あるんだー。わたしも呼び捨てだもんねー」
「今さらちゃんづけで呼ぶのは恥ずかしいだろ。ずっと日向って呼んでたんだから。日向って呼びやすいんだよ。いい名前だろ。そのままでいいじゃん」
「あ、あー、ありがと」
しまった。なんか恥ずかしくて恥ずかしいこと言ってしまった気がする。
顔が熱い。日向も顔真っ赤だ。僕を見てくれない。
「二人ともお似合いだね」
「「ち、違うって」」
「息もぴったりだし」
関根さんがからかうように笑ってくる。
思わず日向と目を合わせてしまう。
動きもぴったりだったのか?
まあ、ひそひそしてたぶん、アイコンタクトも取れるのかもしれないけど。
まさかからかわれるとは、日向に申し訳ないな。
「でも、話してなかったのはなんでだろ?」
「話題にならなかったからかなじゃないか?」
「確かに、影斗がVTuberに興味あるなんて知らなかったし」
「僕もだよ。ま、こんな場に立ち会えるなんて、長くしてて、知っててよかったよ」
あぶね、危うくバレるところだったよな。
突っかかった時絶対にらまれてたし。
今のは自然な感じだから多分大丈夫。多分。
「なかなか興味深かったわ」
「い、今のが?」
気づかれたか?
「ええ、もちろんよ。活動期間を知ってるなんて話がいがありそうだもの。それに、日向さんのことも聞けそうだしね」
「もーやめてってー」
そっちか。よかった。
「正しいってわかるなんて、庄司さんもすごいね」
「ありがとう。また機会があれば話しましょ。みんなのおかげで個人的にも話せそうだわ」
「え……」
ほほえみを向けてくる庄司さん。
僕はまっすぐ庄司さんを見ることしかできなかった。
右側からものすごい圧を感じ、固まってしまう。
日向の視線が痛いです。
なんで怒ってるんだよ。今、庄司さんの笑いも怖いよ。誰か助けてくれよー。
庄司さんのその言葉でクラス中の空気が変わった。
踏み絵的な? このクラスの異様な一体感はこの踏み絵的なことで保たれているのか?
まじまじと僕の顔を見つめてくる庄司さんたち四人の美少女。
日向なんかは僕と顔がぶつかっちゃうんじゃないかってくらい顔を近づけてくる。
そういうことか? こういうふうにして好きなことを話しているから、大神くんを退けることができたのか?
「いいのよ話して」
「え、えーと……」
やっぱり難しい。自分だぞ、一応雲母坂キララは僕なんだ。
どこが好きって、どこが好きって……。
絵、は変だよな。キララとして出してないし。
キララ自身を絵って言うのはなんか違うし、キララの見た目ってのも嫌なやつと思われそうじゃないか?
「もしかしてだけど、そもそもキララちゃんのことは知ってた?」
黙り続けていたせいか、楽しそうな笑顔を一転させ疑わしげな目を向けてくる庄司さん。
当然の疑問だ。
どうしよう。そうだ。
「し、知ってるよそりゃ。もう四年くらい配信してる女の子でしょ?」
合ってるよな? どれくらいやってるかなんて自分でも自信ないけど。
「へーすごい。それ最近怜が話してたよね。パッと出てくるのなんてこのクラスじゃ他に怜くらいじゃない?」
感心したように言ってくれる関根さん。
「そ、そうね」
なぜか顔を赤くしながら、僕から目線をそらす庄司さん。
しきりに髪をいじり出し落ち着かない様子だ。どうしたのだろうか、庄司さんらしくもない。
「と、とにかく。木高くんがキララちゃんのファンだってことはわかったわ」
「え、今ので?」
「ええ。今ので充分よ」
そうなのか? 好きなところの話はどこいった?
まあ、僕としては自画自賛しなくていいのはよかったが。
「話したいから場を作りたいって言ってたもんね怜ちゃん」
「い、今その話はいいでしょ。木高くんにキララちゃんのことを聞く会なんだから」
そんな名前の会だったのか。
しかし、もしかして庄司さんって普段はこんな感じなんだろうか。
大神くんから避難するばかりで、あまり周りは見えていなかったせいで知らなかっただけで、完璧で冷酷な美女って感じではないのかもしれない。
少なくとも、今の庄司さんから受ける印象はそうだ。
失礼かもしれないが、案外表情がコロコロ変わってかわいらしいかもしれない。
「とっさの嘘じゃなくて安心したわ」
まあ、疑われていたようだしお互い様か。
「影斗はそんな人じゃないってー。それに、キララちゃん好きに悪い人はいない、でしょ?」
日向からの信頼はありがたいけど、キララ好きに悪い人はいないことはないんじゃないか?
「そうね」
そうね!?
思わず昨日のように飛び上がりそうになって、今日はこらえた。
冷静に言ってるが、かなりぶっ飛んでるだろ。
その気持ちは嬉しいけどさ。
いや、なんで今のはみんな流してるの?
「影斗くんどうしたのぉ? にやけちゃってぇ。もしかして若菜たちにほれちゃったぁ?」
ニヤニヤしながら白鷺さんが聞いてくる。
「ええ!?」
日向の大袈裟なリアクション。
いや、タイミングおかしいだろ。
「影斗……どうなの?」
急に不安そうな顔で見つめてくる。
「あ、いや。まさか人とこんな話ができるなんて思ってなかったからさ。嬉しくてつい、ね」
そう。僕は今までキララのことを話す相手なんていなかった。
自分が配信者本人だからってこともあるけど、そもそも友だちが日向しかいなかったのだ。
そんなことを正直に話したら、少しその場の空気が重くなるのを感じた。
「ありがとう。こんな場を設けてくれて」
「純粋! からかった若菜が悪い子みたいじゃーん」
「え、いや、そんなつもりはないよ」
「わたしとは話してたでしょー」
「そうだけど、でも、雲母坂キララ、ちゃんの話はしてなかったよ」
「今つっかかった。女の子をちゃんづけで呼ぶの抵抗あるんだー。わたしも呼び捨てだもんねー」
「今さらちゃんづけで呼ぶのは恥ずかしいだろ。ずっと日向って呼んでたんだから。日向って呼びやすいんだよ。いい名前だろ。そのままでいいじゃん」
「あ、あー、ありがと」
しまった。なんか恥ずかしくて恥ずかしいこと言ってしまった気がする。
顔が熱い。日向も顔真っ赤だ。僕を見てくれない。
「二人ともお似合いだね」
「「ち、違うって」」
「息もぴったりだし」
関根さんがからかうように笑ってくる。
思わず日向と目を合わせてしまう。
動きもぴったりだったのか?
まあ、ひそひそしてたぶん、アイコンタクトも取れるのかもしれないけど。
まさかからかわれるとは、日向に申し訳ないな。
「でも、話してなかったのはなんでだろ?」
「話題にならなかったからかなじゃないか?」
「確かに、影斗がVTuberに興味あるなんて知らなかったし」
「僕もだよ。ま、こんな場に立ち会えるなんて、長くしてて、知っててよかったよ」
あぶね、危うくバレるところだったよな。
突っかかった時絶対にらまれてたし。
今のは自然な感じだから多分大丈夫。多分。
「なかなか興味深かったわ」
「い、今のが?」
気づかれたか?
「ええ、もちろんよ。活動期間を知ってるなんて話がいがありそうだもの。それに、日向さんのことも聞けそうだしね」
「もーやめてってー」
そっちか。よかった。
「正しいってわかるなんて、庄司さんもすごいね」
「ありがとう。また機会があれば話しましょ。みんなのおかげで個人的にも話せそうだわ」
「え……」
ほほえみを向けてくる庄司さん。
僕はまっすぐ庄司さんを見ることしかできなかった。
右側からものすごい圧を感じ、固まってしまう。
日向の視線が痛いです。
なんで怒ってるんだよ。今、庄司さんの笑いも怖いよ。誰か助けてくれよー。
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