上 下
11 / 121
異なる世界に行ってみよう

練習結果を見てみよう

しおりを挟む


「……ハァ、疲れた疲れた」

 ベットにダイブしてぐったりとするが、日本のそれより硬いからか気持ちよくない。
 こういうとき、文明チート(睡眠関連)があれば良いのにな。



 あれから、ワコとかいう女子といっしょにスキル習得の特訓を行った……ということもなく、単独で弓を使って遊んでいた。

 俺も最初は二人でやらされるのは面倒だなと思っていたのだが、ワコとかいう女子は俺が来る前に投擲スキルを習得したらしい。
 ……異世界補正、凄いんだな。

 そのため彼女は投擲トリオが向かった場所へ自身も向かい、俺は一人ぼっちになって自由であったというわけだ。

 なお、神聖武具術スキルの補正があったからか、俺もすぐに弓術スキルを習得した。
 そして、最後まで弓で遊んでいたお蔭で訓練終了間際に狩弓術スキルも習得する。

 狩弓を使っていると、狩弓専用のスキルも派生してできるんだと俺は思っていたが……鑑定係のミルによると、スキルの派生とは簡単にはできないものらしい。

 たしかに異世界人のスキル習得速度は速いらしいのだが……派生スキルは選ばれた者だけができるモノで、才能の壁によって異世界人でもできないことがあるんだとか。

 ……俺に弓の才能は特にないだろうから、きっと神聖武具術スキルの力だよな。

「[ステータス]オープン」

 後半は特に意味もなく、王道のアレをローテンションで告げる。
 まあ、大切なのは前半なので……目の前にステータス画面が表示された──

---------------------------------------------------------
ステータス
名前:イム・トショク(男)
種族:異世界人Lv4 職業:停導士Lv2

状態異常:催眠

HP:130/130(JOB+100)
MP:130/130(JOB+100)

ATK:50(JOB+10)
DEF:51(JOB+10)
AGI:50(JOB+10)
DEX:53(JOB+10)
MIN:52(JOB+10)
LUC:0

通常スキル
(言語理解)(鑑定)(精神魔法)(儀式魔法)
(魔法知識:制限)(回眠)(限界突破)
NEW
(弓術)〔+(狩弓術)〕(集中)(鷹目)
(付与魔法)(魔力操作)(身体強化)

唯一スキル
【停導士】
\(催眠魔法)(過剰睡眠)(意識遮断)(解析夢)〔+(龍躯強化)(付与魔法)(神聖武具術)〕

祝福
(地球神の加護)(睡眠神の加護)

称号
『召喚されし異界の魂』『限界を超えし者』
『【■■】に選ばれし候補者』『眠り王子』
---------------------------------------------------------

 今回の練習で得た主な成果は、『NEW』の方に表示されている(付与魔法)である。

 ……そう、武器に掛けられた呪いのような効果を──武器に魔法を付与することで打ち消したのだ。

 なんとなくで取った付与魔法スキルだが、そこに(魔法知識:制限)がプラスされて、どうにかする方法を見つけられた。

 そして、それを維持し続けていると……習得できたのだ──クラスメイトの才能チートを。

 すでに限界突破スキルを習得していたが、アレは意識喪失や不思議な説明が表示されていたので例外という可能性もあった。

 だが、今回の付与魔法スキルで正式に模倣コピーできることが証明されたのだ。

 スキルにレベルが無いのでよく分からないが、一度習得したスキルは、消失しても前の時のレベルまでは成長率が高くなる……みたいな設定なのかもしれない。

 今回の場合、適性も含めレベル0な付与魔法スキルを強引に所持していた結果、エラーでも起こしてシステムが誤認してしまい、俺に付与魔法を習得させてしまった……的な?

「……面倒だな。まあ、要するにこういうことだな──同じのを持っていたからしっかりコピーできた」

 あと、(集中)と(鷹目)は弓術スキルで遊んでいる間に習得できた。
 どこのてようかどうか、的を意識していたら……自然とな。

 これと関係があるか分からないが、無意識で視覚や脳みそを強化していたのかもしれない……ちょうどそのとき(龍躯強化)の習得に励んでいたし、それ自体は取れなかったが、代わりに(魔力操作)と(身体強化)があるし。

 先の二つを使うと、弓の精度がいっそう向上した……集中スキルはあくまで脳をスッキリさせるためのものだと思ったが、目を意識して発動すると視界をズームできるようになり──鷹目スキルを得たわけだな。

「これがあれば覗きもできるのか? まあ、どうでもいいからしないけど」

 ちなみに、(龍躯強化)を発動していた時に動いていたナニカを意識したら──魔力操作スキルを得て、循環を意識して魔力を巡らせることで身体強化スキルを得たぞ。

「でもまあ、やっぱり(神聖武具術)はまだまだダメだよな……」

 なにせ【勇者】様のスキルだ。
 敵対者に簡単にコピーされるような代物ならば、ほとんど意味も無いだろうしな。

 全武具の統合スキルでもあるし、コピーにはかなりの時間が掛かると思われる。

 同じくいかにも習得が難しそうな龍のスキルである(龍躯強化)も、相当掛かるんじゃないか?

 こっちに関してはもう保持者が死んでるんだし、早く習得しないと……夢って、いつまでも保存できるのか分からないけど。

「ここら辺は要検証ってことで……忘れても会える奴らのスキルは、すぐにコピーせずとも問題ないか。簡単に取れるレアなスキルだけ先にコピーして、あとは難易度が高いヤツに挑戦しておこうか」

 クラスメイトたちは、この世界の人々が逆立ちしても決して手に入れることのできないスキルなんかも初めから持っている。

 なので、彼らのスキルを優先的にコピーしておくのがよいだろう。

「何か良いスキルは無いかな~」

 手に持った紙──クラスメイトの鑑定結果が書かれた物を見ながら、そう考える。

 きっと誰かは隠蔽スキルを使っていると思うが……寝れば解晰夢スキルを使えるので、それも暴けるしコピーできるだろう。

「偽装系のスキルも良いし、収納系のスキルも欲しいな……。それがあれば、もっと俺は誤魔化すための手札が増えるし」

 偽装系は言わずもがな、ステータスを偽装して隠すためだな。
 収納系は食事をそこに溜め込めるし、どんな時でも武器を隠し持つことができる。

「う~ん、どれにしようか……まあ、寝てから考えるか」

 とりあえず、夢の世界でそれは決めることにして──前回同様、スキルや称号を強く念じて寝ることにした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた

ああああ
恋愛
クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

処理中です...