催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武

文字の大きさ
上 下
8 / 124
異なる世界に行ってみよう

限界を突破しよう

しおりを挟む


 次はこれかな? だいぶ気になるし──

---------------------------------------------------------
獲得称号:『眠り王子』OFF

自身の夢を完全に意識下にした者へ贈られる称号
精神や記憶に関わるスキルの性能が向上する
---------------------------------------------------------

 俺は王子ってキャラじゃないんだけどな。
 明晰夢を見れたら、この称号が貰えるということか? ……だとしたら、結構簡単なスキルみたいだ。

 でもまあ、効果は有能に思える。
 まさに俺用のスキル補正を兼ね揃えているし、今のところのセット候補第一位だ。

 それでも……見ると言ったからには、こっちも責任を取ってみないといけないよな──

---------------------------------------------------------
獲得称号:『限界を超えし者』ON(特殊)

限界突破系のスキルを習得し、何らかの壁を乗り越えたであろう者へ贈られる称号
所持している限界突破系のスキルの数だけ一日にn回、スキルを効果以上の性能で使用可能となる(日を跨ぐとリセットされる)

[使用時、本来消費するコストの二乗分コストを支払わなければならない]
---------------------------------------------------------

 ユウキって……そんな称号持ってたのか。【勇者】補正って半端ないんだな、おい。

 強い能力であればあるほど、消費コストも半端なくなるようだが……ユウキのステータスから察するに、成長に合わせてMPの方も膨大になっていくので問題ないのだろう。

 限界突破系、と記述されているのでまだまだ派生があることが分かる……【勇者】ってチートすぎるだろ。

 しかし俺の場合、どのスキルにこの称号を使えば良いのだろうか?

 このままだと、鑑定か解晰夢スキルにしか使えないだろう……催眠魔法を強化する必要が、今のところは見当たらないし。

「……『ON(特殊)』って何なんだ?」

 調べてみたらすぐに分かった。
 どうやら『(特殊)』は、起動数の制限とは別で起動ができる──サービス称号についているみたいだ。

 他の称号を見ると、他に『ON(特殊)』と記された称号も見つけたし、たぶん間違いないだろう。

 そしてそれらが、無自覚の異世界人強化に繋がっているんだろうな。

 ちなみにこんな感じである──

---------------------------------------------------------
獲得称号:『召喚されし異界の魂』ON(特殊)

異界より招かれた者に贈られる称号
スキル(言語理解)(鑑定)を習得する
また、■の質が向上する
---------------------------------------------------------

 ──■の部分は分からなかったが、必要な部分は確認できた。
 しかしと言うかやっぱりと言うべきか……言語理解と鑑定スキルは特典だったようだ。

「……面倒だし、考えるのはもう良いか。それより、試してみるのが一番だな」

 さて、ここらが本番──称号『限界を超えし者』を強く意識しながら、とあるスキルを発動させる。

  ◆   □  睡 眠  □   ◆

 ──いうわけで、再び夢の世界だ。
 称号『眠り王子』を起動した状態で、『限界を超えし者』と限界突破スキルを使用して使ってみたのは──解析夢スキルである。

 鑑定スキルでも良かったのだが、こっちの方が寝ていられるし。

 だがしかし、特にやりたいこととかは特に無いのである。
 記憶にある物を夢の中に登場させることもできるが、やってもあんまり意味ないし。

 せめてメニューが出てくr(ポンッ)……暇潰しはできそうだな。



 メニュー内に内包されたシステムも、ある程度把握して暇になってしまった。
 なので今度は、あの精神干渉魔法についての調査を始めることにする。

 スキルに大幅な補正も掛かってるし、じっくりと時間を掛ければ詳細も分かる……と、思っていたのだが──

---------------------------------------------------------
魔法名:真理誘導

属性:精神 系統:干渉 階級:儀式級 
最低消費コスト:MP1000
発動対象:種族【異世界人】

魔法の影響下に入った者の思考を著しく低下させ、発動者の有利な考え方へと誘導する
この効果は永続し、何らかの方法で解除されるまでそのままである

〔簡単な解除方法として、■くことが挙げられる。思考よりその上位、運命を■くのだから当然である byとある賢者〕

>魔法の解析率が100%に達しました
→スキルとして習得しますか?

     〔YES〕/〔NO〕
---------------------------------------------------------

 割とあっさりできてしまった……しかも、スキル習得選択というおまけ付きで。

 ──賢者って誰だろうな。

 俺がこの説明文を見て思ったのは、それぐらいである。
 別に俺が巻き込まれない魔法なら、好きにやってくれて構わない。

 大切なのは俺自身の安心であって、クラスメイトがたとえどうなったとしても……別に問題は無いんだし。

 ……あっ、スキルは習得で頼む。
 ただし、バレないようにできるならそれもセットで。

 ──つまり〔YES〕でよろしく。

  □   ◆   □   ◆   □

>〔YES〕が指定されました
→これより、“真理誘導”の詳細を再解析・改変・改良が実行されます

>少し時間と処理能力が必要となります
>確実性を求める場合──【停導士】様にはいったん意識を遮断することを推奨します
→承認致しますか?

     〔YES〕/〔NO〕

>〔YES〕が指定されました
→これより、スキル最適化作業に移らせていただきます

  □   ◆   □   ◆   □

 めのまえが まっくらに なった

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ゴミスキル【スコップ】が本当はチート級でした~無能だからと生き埋めにされたけど、どんな物でも発掘できる力でカフェを経営しながら敵を撃退する~

名無し
ファンタジー
鉱山で大きな宝石を掘り当てた主人公のセインは、仲間たちから用済みにされた挙句、生き埋めにされてしまう。なんとか脱出したところでモンスターに襲われて死にかけるが、隠居していた司祭様に助けられ、外れだと思われていたスキル【スコップ】にどんな物でも発掘できる効果があると知る。それから様々なものを発掘するうちにカフェを経営することになり、スキルで掘り出した個性的な仲間たちとともに、店を潰そうとしてくる元仲間たちを撃退していく。

クモ使いだとバカにしているようだけど、俺はクモを使わなくても強いよ?【連載版】

大野半兵衛
ファンタジー
 HOTランキング10入り!(2/10 16:45時点)  やったね! (∩´∀`)∩  公爵家の四男に生まれたスピナーは天才肌の奇人変人、何よりも天邪鬼である。  そんなスピナーは【クモ使い】という加護を授けられた。誰もがマイナー加護だと言う中、スピナーは歓喜した。  マイナー加護を得たスピナーへの風当たりは良くないが、スピナーはすぐに【クモ使い】の加護を使いこなした。  ミネルバと名づけられたただのクモは、すくすくと成長して最強種のドラゴンを屠るくらい強くなった。  スピナーと第四王女との婚約話が持ち上がると、簡単には断れないと父の公爵は言う。  何度も婚約話の破談の危機があるのだが、それはスピナーの望むところだった。むしろ破談させたい。  そんなスピナーと第四王女の婚約の行方は、どうなるのだろうか。

ボッチはハズレスキル『状態異常倍加』の使い手

Outlook!
ファンタジー
経緯は朝活動始まる一分前、それは突然起こった。床が突如、眩い光が輝き始め、輝きが膨大になった瞬間、俺を含めて30人のクラスメイト達がどこか知らない所に寝かされていた。 俺達はその後、いかにも王様っぽいひとに出会い、「七つの剣を探してほしい」と言われた。皆最初は否定してたが、俺はこの世界に残りたいがために今まで閉じていた口を開いた。 そしてステータスを確認するときに、俺は驚愕する他なかった。 理由は簡単、皆の授かった固有スキルには強スキルがあるのに対して、俺が授かったのはバットスキルにも程がある、状態異常倍加だったからだ。 ※不定期更新です。ゆっくりと投稿していこうと思いますので、どうかよろしくお願いします。 カクヨム、小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~いざなわれし魔の手~

高見南純平
ファンタジー
最弱ヒーラーの主人公は、ついに冒険者パーティーを100回も追放されてしまう。しかし、そこで条件を満たしたことによって新スキルが覚醒!そのスキル内容は【今まで追放してきた冒険者のスキルを使えるようになる】というとんでもスキルだった! 主人公は、他人のスキルを組み合わせて超万能最強冒険者へと成り上がっていく! ~いざなわれし魔の手~ かつての仲間を探しに旅をしているララク。そこで天使の村を訪れたのだが、そこには村の面影はなくさら地があるだけだった。消滅したあるはずの村。その謎を追っていくララクの前に、恐るべき魔の手が迫るのだった。

スキルを極めろ!

アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作 何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める! 神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。 不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。 異世界でジンとして生きていく。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...