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DIY、巡礼のち無双
旧友情報
しおりを挟む「あ゛あ、またイベントか?」
「そうだよ、前イベント一位さん。今回も参加されるんですよね?」
「止めろよその言い方。俺だって、まさかああなるとは思ってもなかったんだよ」
「まあ、お前はもともと変なことをするのが巧いからな。そろそろ俺以外にも、旧友たちにバレるんじゃないか」
「……なんだよ、変なことって。俺はただ、厄介ごとに巻き込まれるだけだよ」
新大陸の調査を始めて数日。
拓真がイベントに関する情報を持ち込む。
というか、変なことって例えばどんなことなんだろうか。
俺のイメージする変なことの大半は、瑠璃や翔がやっていそうなんだよな。
強力なボスを討伐したり、偶然あの世界の主要キャラに遭遇したり……ん? 意外と俺もやってるのか?
「それに旧友って、何? アイツらの誰かもやってるのか?」
「おいおい、友人は大切にしろよ。既に俺の知っている範囲だと、ロームやジンリ、キーシさんなんかはもう掲示板とかでもそれっぽい情報が知られてるぞ」
「マジか……居るもんだな」
彼らの名前は、何度も見ていた──EHOが始まる前、さまざまなゲームをしていた頃からだ。
何度も交流を繰り返し、俺も拓真も……そして瑠璃も、絡んで楽しんで多様なゲームを謳歌した。
「ハックさんもか? 居るならすぐにお前の場所に行ってそうだが」
「ああ、居たぞ。そして会った。若干キャラの容姿に驚いたが、それでも口調とかノリはハックさんだった」
「へえー、今度会ってみたいな」
「そういうヤツの情報が売れれば、俺も本当はもっと儲かるんだけどな」
それでも友の情報は売らない。
頼れる奴だからこそ、俺は拓真とつるんでいるのかもしれないな。
さて、話はイベント関連に戻る。
前回は貢献をポイント制にして争っていたが、今回はどんなものになるんだろうか。
「今回のイベント──それはランキングだ」
「ランキング? バトルでもするのか?」
「まあ、あながち間違ってねぇけど話は最後まで聞いとけって。……いくつかの部門に分かれてやるって噂だ。戦闘職と生産職、これがまず別れてねぇと意味ねぇだろ?」
「たしかに、圧倒的な差があるからな」
俺みたいな生産職は、アイテムの使用を禁じられれば戦闘職に勝つことが難しい。
生産職の能力値は、基本器用さに振られることが多い。
たまに素材の中に暴れる物があるということから、頑丈さを強化する者もいるが……それでも、直接攻撃に関するパロメーターを強化することはほとんどない。
「──部門ごとに分かれて、運営側が決めた条件を満たしたものが選ばれる。そしてその内、ソイツにメールが届いて何かが起きる。たぶんそんなイベントになる!」
まあ、そんな話をしていたわけだが……生産部門ってあるのかな?
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