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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門後篇 その24

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 マグマを操る火山の魔獣は、『超越者:白氷』である妖精の少女に太刀打ちできない。
 さすがに放置するのは不味いので、逃がすために彼女と相対することになった。

「その姿……ふーん、ちょっとおかしいけど精霊なんだ」

「何か問題でも?」

「べっつにー。でも残念、水とか氷だったらすぐに決着をつけられたのに」

 彼女の権能、『白氷』はいわゆる水分操作に該当する。
 液体を凍らせることも、また逆に気化させることも自由自在。

 その操作性を種族が強化し、職業が更に拡張させることで凶悪さを増している。
 相手が人であろうとなかろうと、氷像にすることなど容易いはずだ。

「まあ、『生者』が相手なんだからこっちも油断しないよ。凍らせてハイ終わり、なんて騙されないんだから」

 そう語る彼女が取り出すのは、宝石が取り付けられた一本の指揮棒。
 他ならぬ俺が彼女へプレゼントした、データ取りに協力してもらった品だ。

「集まれ氷像、『リビングドール』起動!」

 権能によって水分が急速に固まり、その場に構築される無数の氷像。
 動物の姿をしたそれらは、彼女が振るう指揮棒に応じて体を動かし始める。

 擬似権能『リビングドール』、それは権能持ちである『白氷』が決して使うことのできない『プログレス』の能力。

 ではなぜそれを使えるのか、それこそが指揮棒に取り付けられた宝石の役目。
 あの中に『プログレス』の能力情報がインストールされていて、それが使えるのだ。

 データ量の限界や、そもそもヤバいヤツにヤバい物を渡してはいけないといった判断から、補正などはいっさいなく、あくまで能力のみを借り受ける仕様にはなっているが。

 それでも、擬似権能自体は本物だ。
 氷像はこの瞬間、無機物から有機物としての力を得る──その見た目に相応しい、動物的な特徴を引き出すことができる。

「──“万物闇換”、“万闇統一”。そして“アップ・ロード:リビングドール”」

「あー、ズルい!?」

「ズルいも何も、我々には本来無いものなのですから。お互いに、対等に行きましょう」

 エクリの『プログレス』、それは権能を模倣することができるもの。
 彼女には『プログレス』の管理者権限を与えているため、いつでも何でも引き出せる。

 そして、今回借り受けたのは『白氷』も使用している『リビングドール』。
 ……少し違うのは、管理者権限を用いているので最新版だということ。

「アレ、そっちの方が数が多い……制限があるはずだよね?」

「最新版です」

「ズルいよ!?」

「ズルくありません。更新を以前に申請していただけましたら、応じていましたよ?」

 まあ、応じるというのは反応を示すという意味で、実際にその時の最新の状態にするのかはまた別として……ともあれ、これで多少なりとも優位に立てたわけだ。

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