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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門後篇 その07

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 どうして技名を口に出すのか、そんなお約束をガン無視するような問い。
 その答えにEHOは、言う方が利があるという明確な答えを用意していた。

「──“必射的中”、成果はいかほどで?」

《発動時の処理が改善しておりますね。同時に、外部から得られる属性魔力も初期値より高まっています》

「そこに精霊の干渉を信じることで、精霊魔法は誕生したわけですが……さて、事実はどうなのでしょうね」

 呼びかけに精霊が応じることで、出力が高まるというのが人々における一般的な認識。
 そして、それこそが意味を成して精霊たちとの繋がりを確固たるものとする。

 そう、『プログレス』からも分かる通り、意識とはEHOにおいて重要なもの。
 集合意識、というヤツだな……だいぶ話が逸れたが、こう纏めておこうか。

「『俺Tueee!』すればするほど、強くなるんですよね……文字通り、一騎当千の猛者が生み出されるわけですよ」

 圧倒的な個と圧倒的な量、EHOの場合はこの前者の方が強いことが多い。
 ──その圧倒的な数で畏怖を抱く、それだけで強者はそれを糧にできるからな。

「おっと、もうダメですか……うーん、残念です」

 狙撃を繰り返し、退場させた参加者の数が五十を超えた頃。
 エクリの視界を以ってしても、ターゲットになりうる参加者を見つけられなくなった。

 俺一人でやっているわけではない以上、取り分というものがある。
 少なくとも、援護要請が来るまでは手出し無用というルールなのだ。

「そして何より、魔獣様が本格的に動き出したようですし……傍観に徹しますか」

 火山を支配する魔獣、それは一匹の鼠。
 大きさも現実に居るような小さなもの、だがそのうちに秘めた熱量はマグマレベル。

 魔獣が走った場所はすべて焼かれ、熔けてマグマになって溶岩と化す。
 それを鼠のすばしっこさで、かつ魔物の上位互換のスペックで行うのだ。

 防衛に励む参加者たちも、狙いの付けづらさに四苦八苦。
 広範囲に一気に攻撃をする、などしてじわじわダメージを与えるのも難しい。

 鼠型の魔獣、その特徴はマグマを生命力に置換できること。
 溶岩、つまり冷え固まったものはできないようだが、出来立てほやほやは可能。

 そのため、ダメージを受けた直後に周りのマグマを変換して即座に回復。
 最低限、冷却する手段を持たないヤツじゃないと勝ち目は薄いわけだ。

「一度マグマになった場所は、再度マグマにならない……あるいは一定のスパンが掛かるみたいだけど、走り回ればそのデメリットも解決しますね」

 そんな魔獣が暴れ回り、平原は大パニックなわけだ。
 おまけに、攻めているのは一体だけじゃないのだからまあ大変。

 ──彼らの狙いは同じ、だが分かち合うことはできない……ぶつかり合いが始まった。

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