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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門後篇 その04

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 珍しく銃を保有する参加者が居たので、工具をメンテナンス用に売りつけた。
 必要最低限だが、対応するスキルや職業が無くとも細かく分解ができる優れものだ。

 ──あの後、舌打ちされたがきっちりと対価を受け取り工具は渡した。
 参加者も、裏切り者側に居るからこそ、準備を怠るわけにはいかないからだな。

 結局、俺は参加者の九割ぐらいとやり取りするようになっていた。
 残りの一割は自力で何とかしたり、そもそも生産関連が不要なビルドだったりする。

 やはり:DIY:の恩恵は凄まじく、システム由来の生産において俺に並び立つことは非常に難しい……外部からの持ち込みが難しいこの部門であれば、なおさらだ。

「お疲れ様です」

「……とても個性的な方を集めましたね」

「我が強い方の方が、こうした誘いを受けていただけますので」

「どうやら、私が一番普通なのは間違いないようですね」

「はっ?」

「……え?」

「「えっ?」」

 認識に齟齬があるようだが、まああちらは人じゃないので気にしないでおこう。
 俺ほどの一般人を逸した奴ら──逸般人と間違えるなんて、おかしいじゃないか。

「それで、今日も侵攻はあったはずです。アナウンスがいっさいございませんでしたが、外部はどうなったのですか?」

「今回は魔獣の方々、その領域の力をお見せしました。ですが侵略はせずに引き返し、そこでおしまいです」

「……なぜですか? それこそ、彼らの力を用いずとも可能でしょうに」

「これも取り決めの一環だからですね。ご存じの通り、一部はすでに侵略が済んでいますが、あれらはデモンストレーション。本気を出すのは、もう少し先ですかね」

 こちらに属した参加者たちとやり取りをしている間、一度として通知が無かった。
 時折彼らが外部に行っていたのは把握しているのだが、侵攻は本気じゃないらしい。

 俺は訪れなかった中立地帯の内、三つが魔獣たちによって環境を上書きされている。
 だがそれも、予め取り決めがあったうえで成されたことらしい。

《魔獣の性質や能力の関係上、他の魔獣よりも広い領土が必要だったのでしょう。なので領域が上書きされること、そしてそれにより変化する状況などを知らしめるために行われたと思われます》

「……それで、明日からは?」

「ええ、皆様にもご協力いただき特定の領域へ侵攻を開始します。もちろん、『生者』様含め皆様のご要望に沿った形で」

「ええ、お忘れなきように。その時は、相応の手は打たせてもらいますよ」

「ふふっ、気を付けます」

 そんなことを言いつつ、参加者たちに依頼されたアイテムの生産などを始める。
 そして翌日、彼らは魔獣と共に侵攻を始めるのだった。

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