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DIY、とにかく戦い続ける
特殊耐久サバイバル部門前篇 その49
しおりを挟む特殊耐久サバイバル部門 ???
魔獣たちの遣いと合流する。
売り渡したわけじゃないが、家族が居る場所を伝え代わりに俺がそこに直接干渉しないことを約束させた。
「──ここは?」
「私どもの領域ですよ。そして、魔獣の皆様が離れた領域へ勢力を派遣するための通路でもあります」
「……なるほど、ここがそうなのですか」
ドローンで『SEBAS』が集まてくれたどの区画の地形とも当て嵌まらない、遠近感覚すら狂いそうな空間。
なぜならそこには、それぞれの領域が一つずつの世界のように浮いている。
球体のそれらはおそらく支配したフィールドの数に応じて、大きさを変えるのだろう。
そう言えるのは、数個の球体が目に見えて他のモノに比べて大きいから。
砂の世界と氷の世界、それに火山の世界が一回り大きいサイズだ。
「競い合いをされているので?」
「お互いの状況を見せ合うのもまた、ルールの一つのようなものですので。そして、ご希望があればその領域と隣接した中立地帯へ向けて、私どもが魔物を送れるようにいづれなるのです」
「……中立地帯限定ですか?」
「はい、そうなります。なお、魔獣の皆様方が乗り込むことはすぐにはできません。魔物たちがある程度、手順を踏む下準備を成功しなければなりません」
他の支配領域に直接手を出せない、そして中立地帯への干渉もまた一定のルールを設けて侵攻を行っている。
単純な奪い合いというわけではなく、ある程度戦術を組むことも求められていた。
脳筋プレイですべて解決するには、かなりの実力が必要となるだろう。
「これを行うことで、貴方がたにはいったいどのようなメリットがあるのでしょうか?」
「そうですね……単純に強くなれます。本来出会うことの無かった多くの魔獣との接触、そして力の奪い合い。勝者となれば、相応の力を得ることができるでしょう」
「負けた場合のデメリットは?」
「終わりです。命の保証があるそちら側と違い、命懸けだからこそ働くルールがいくつかございますので」
負ければ死ぬ、それは本来弱肉強食の理に生きる魔獣にとっては当然のこと。
だからこそ、彼らは現状を打破するべく行動に移ったわけだ。
「さて、実は今回特別に貴方様を先んじてこちらに招いたのは他でもありません。一つのご依頼をしたかったからです」
「……そうですね。誰も他の参加者が居ないことについての説明が欲しかったんです」
「ええ、ここには魔獣の皆様を示す球体がございます。そこからある程度、素材を得ることもできるでしょう──が、それ以外にはこの空間に何も無いのです」
「……準備は?」
「ええ、お願いしたいのです」
「…………」
ピコンッ、と通知が入り[クエスト]が展開された。
普段、生産ギルドの依頼をまったく受けられない俺からすると珍しいモノだ。
だが先の会話から察せられる内容、あからさまに面倒臭そう。
──それでも俺は依頼を確認後、すぐさま作業に取り掛かるのだった。
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