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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門前篇 その37

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 ヤドカリによる侵攻は、完全な侵略を果たす前に時間切れとなった。
 ただ、群れを成すタイプの個体が一体のみで突っ込んでいった関係上、仕様だと思う。

「そうなんだよな、わざわざ一体だけで来る必要性なんてなかったわけで……改めて思うけど、特殊耐久サバイバル部門って、どんな人がアイデア元を出したんだろう?」

《一人のアイデアでは無いでしょう。何人かの意見の要素を集めたうえで、運営側である程度成立するように調整した結果が今回の仕様なのでしょう》

 独りで今回のルール全部を考えた、と言われたらかなりビックリするところだ。
 できなくはない人に心当たりはいくつかあれど、企画に参加する可能性が低かった。

「ヤドカリの侵攻に対する自然回復、被害状況に合わせた速度になるとは思うんだが、人の数以外どういうのが要因になると思う?」

《防衛側の人数以外ですと、侵攻側の領域の侵攻状況などが挙げられますね。侵攻時の魔力侵略は、侵略した魔獣やその眷属が持ち込む魔力を基に行われますが、その量にも制限がございますので》

「つまり、侵略すればするほど、他の領域は侵略しづらくなる?」

《加えて、同時にやる場合はなおのこと進みづらいかと》

 そりゃあまあ、魔力さんの労働も考えると一気にやったり遠くまでやるのはな……どうして魔力の労働まで考えねばいかんのやら。

「これはまあいいや、さてと。問題は参加者たちの変化についてか……何か、谷の中立地帯において大きな変化があるかを把握しておきたいな」

《それですが──こちらをご覧ください》

 ドローンが映し出した、谷のある場所。
 岩の窪みに、これまでは無かった量の水が溜まっていた。

 それはなぜなのか、その辺は後回しにするとして……。
 問題はその水がどうしてこの状況で配置されたのか、これに尽きる。

「──これ、アレだよな?」

《はい。先んじて採取を済ませた、霧を抽出した雫。アレの劣化版です》

「劣化版? 性能的に問題があるのか」

《同じようにいくつかの場所に、確認されています。侵攻、あるいは日数の経過によるものなのかは不明ですが、こうして採取ポイントにも変化があるかもしれません》

 レア度の高いアイテムが手に入りやすくなる、それはいい機会なのかもしれない。
 だが条件が前者だった場合、それはある程度の侵攻を受けなければならないわけだ。

「……あれか? 一種の防衛反応、これで自分たちを強化して抵抗してください、みたいな感じでさ」

《その可能性もありますね。また、これは侵攻を受けたうえで迎撃に成功した……という判定になっていたからでしょう。侵攻側が素材の質を高める場合は、侵攻を終える必要があると思われます》

 まあ、その辺もまたある程度経過すれば分かることだろう。
 情報収集は必須か、ドローンだけでなくより多くの方法で集めていかなければな。

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