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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門前篇 その36

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 策も無く突貫したと思った参加者だが、実は支援によって後方で蘇生していた。
 その相手は動き出したヤドカリ、何らかの要素を満たして侵攻を始めたのだ。

「そんなこんなで、残機1で情報収集を始めているな……ふむ、デスペナ自体は発生しているみたいだし、さすがにまったく同程度の活躍を続けられるわけではないのか……」

 本来であれば、原人が確定で復活できるという恩恵ぐらいだろうか。
 休人は死んでももともと勝手に蘇るので、無用のものだ。

 だが今回、特殊耐久サバイバル部門中に死ねばその時点で退場扱いとなってしまう。
 参加者がどういった人物なのかは分からないが、闘技大会に上手く結びついたわけだ。

「おっと、ヤドカリがかなり本格的に対処に動き始めたな」

 これまではあくまで、前に進むことを前提にして動いていた。
 だが、死を前提に動ける鬱陶しい連中に、ヤドカリも無視ではなく──処理を選ぶ。

「──うおっ、目からビーム!?」

 地面と同化しているヤドカリ。
 あるポイントで足を止めると、近づいてくる参加者たちに目から光線を放ち広範囲に対して攻撃を行い始めた。

 これには参加者たちも対処できず、多くの者が一気に残機を失ってしまう。
 あまりに酷い、なぜなら撃った直後のヤドカリは再び目に光を集めているのだから。

「『SEBAS』、アレは?」

《地脈との強制接続による、エネルギーのごり押しです。領域の侵攻、及び地脈の穴の上に立つことで可能となるようです》

「つまり、あの場所に立った時点でビームを撃たれることは決まったし、そもそも辿り着かせないことが勝利条件だったわけだな」

《はい──ですが、今回はここまでとなるようです》

「ん?」

 それはどういうことか、と問う前にヤドカリがピタリと動きを止める。
 何事かと戸惑う参加者たちだが、ヤドカリは構わず脚を動かし──後退していく。


≪隣接領域との接触が終了しました≫


 その後ヤドカリは、何も暴れることなく山岳領域へと帰っていった。
 途中でヤドカリから降りた俺は、防衛を終えた中立地帯を調べることに。

「参加者は……まあ、それぞれの拠点に帰るからいいとして。『SEBAS』、谷の方に何か変化はあったか?」

《山岳領域の法則が、谷に変化を与えることは無かったようです。現在、山岳領域から流れ込んだ魔力を、谷の魔力が押し返しています。これが以降も続くとは限りませんが、現象として可能ではあるのでしょう》

 つまり、参加者たちで力を合わせれば同じことができるかもしれないと。
 ……逆に言うと、誰も何もしないで放置すれば、話は別ということかな?

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