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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門前篇 その25

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 谷に漂う霧から、特殊な水を確保した。
 結果、谷の上と下の勢力で争いが始まってしまった気がするが……うん、ドローンで撮影しておこう。

 そして、俺自身は別の領域へ移動中。
 向かう先には生い茂る膨大な数の植物。
 多種多様なそれらは、魔獣の影響を受けてどこまでも成長していた。

「……天を貫く、ってのはこうも天然物でできるんだな」

 高層ビルなどでありそうな表現だが、植物でそれが可能なのは天然記念物になりそうなものだけではなかろうか。

 だがその領域において、高さに重きを置いて進化していった植物は、さも当然のようにただひたすらに高く伸びている。

 その数は指の数では収まらない。
 ただ、一定数は超えていないだろう……現在進行形で、伐採されているからな。

「蟲毒って、植物でも起きるのか」

 伐採は参加者も行っているのかもしれないが、わざわざ長い木を伐るよりも、狙い目なモノは領域中にいくらでもある。

 では、誰が──答えは他の植物だ。
 高ければ高いほど木は他の植物が得られる日光を奪い、更なる成長を遂げている。

 ゆえに急速に伸びていく木も、即座に他の植物が根っこを地面から引き剥がしたり、へし折ったりと様々なやり方で横に倒し、自らの根を伸ばし成長の糧としている……怖い。

「ただ、現実とかで早回しで見る成長よりも速いな。そんなに魔獣の影響力が強いのか」

《二日目となり、魔獣も活発になっているのかもしれません。個体差はあるでしょうが、[掲示板]から察するに、受動的な性質を持つ個体ほど早く動くのかもしれません》

「だとしても、凄まじいな……完全に植物が領域を支配しているじゃん」

 だからだろう、植物たちはより栄養を欲するために地面に根を張ろうとする。
 しかしその力は魔獣の領域に限るからか、ピッタリある一線で侵食は止まっていた。

 今はまだ、そんな状態だ。
 しかし、魔獣が外部への侵攻を始めれば境界線の位置も変わっていくだろう。

「さて、そんな植物だらけの領域の主は、どこに居るのやら……木々が邪魔過ぎて全然見つけられないんだが?」

《ドローンでの捜索も、精霊たちを誘引する木々の影響であまり進められておりません》

「そんなのもあるのか……なんだろう、特別な木なのかな?」

《いえ、多く存在しています。同様に、独自の進化を遂げた植物が多く確認されております。何か、意図を感じるほどに》

「……注意しておこう。それもまた、魔獣の目的があるのかもしれないし」

 警戒はどれだけしても困らないだろう。
 相手の土俵で勝負……なんてことは避けないとな。

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