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DIY、とにかく戦い続ける
特殊耐久サバイバル部門前篇 その16
しおりを挟む鉱石から不純物を取り除き、純度を上げてからインゴット化する作業を開始。
一部我流の部分もあったが、オーソドックスなやり方でインゴットは完成した。
「ふぅ……:DIY:解除。制限時間については、何ら追記されてなくて良かったよ」
いろいろと制限が設けられた:DIY:スキルなのだが、一日に何度でも何時間でも使うことができる。
正直、ここに制限が掛かっていたら詰んでいた気もするけどな。
……いやまあ、他の休人たちのチートな能力と比べると、見劣りするのかもしれない。
「相対的に、:DIY:スキルが凄くないと言われるのは不服なんだが……まあ、神の権能の一部を賜る的なイベントも、今は休人たちの中で知られているみたいだしなぁ」
情報屋のタクマ曰く、現実でも聞いたことのある神々と接触を受けたという話だ。
俺も接触したギリシャ神話や北欧神話だったり、聞いたことだけはある日本神話。
他にもいくつか、神話が存在するようだ。
魔導世界で聞いた魔導神、そして我らが失名神話の神々のようにこちらの世界でしか知られていない神もたしかに確認されている。
だが、どうして現実と同じ名前を持つ神がこちらにも出張っているのか…………考えるのは今じゃないか。
ともあれ、そんな神様たちによって力を授かる休人たちが現れたようだ。
俺と同じように生産系、あるいは非戦闘系だけでなく、その多くは戦闘用のモノ。
「属性云々の相克を超えた、とんでも超常現象が出せるとか言っていたっけ……まあ、そういう能力の方が制限は掛けられるかな?」
《────》
「うーん、まあ使える方がいいし、結局もっと厳しくしてくれって言うわけでも無いからいいんだけどさ…………よし、これでリンクできたはずだ!」
《──接続完了。ありがとうございます、旦那様》
インゴット化を終えた後、さっそくいくつかの鉱石を使って最低限の設備を整えた。
途中、エクリが手に入れてくれた魔物の素材も組み合わせ、作り上げた一品。
周囲の魔力を回収し、半自動的に機能し続ける通信用の魔道具。
これに特殊な術式を刻印することにより、次元を超えた通信が可能となる。
これはレムリアからの帰還時、転移に失敗した際の経験から得られた技術。
失敗は成功の母と言うし、まだ改善の余地はあるが……ともあれ、確立はしていた。
前提として、『セバスチャン』を起動して繋がりそのものを持っておく必要はあるが、こちらの魔道具があれば以降は使用しておらずともその回線が切れることなく使える。
「『セバスチャン』解除……どうだ?」
《……。復旧完了、接続は安定。問題ありません》
「よし、これでインストールの枠を空けつつ『SEBAS』を頼れるようになった!」
ある意味、擬似権能を追加で入れられるのでチートが増えたようなものだ。
媒介となる宝石は移植なので、持ち込みとは関係無く使用可能なズル仕様。
我ながら、オマージュとはいえ恐ろしいモノを生み出してしまったな。
……こうしてサバイバル一日目は、幸先よく終わるのだった。
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