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DIY、とにかく戦い続ける
特殊耐久サバイバル部門前篇 その10
しおりを挟む魔獣たちによる領土の奪い合い。
特殊耐久サバイバル部門の参加者たちは、彼らと共存しながら生き残らねばならない。
「──とりあえず、次の場所へ向かおう」
再び蓮の葉を渡り、フィールドを横断。
この時、魔物たちが苛烈に襲い掛かってきたのだが……あえて反撃せず、回避に専念して移動していく。
攻撃しても困らないのだが、わざわざ魔物たちが俺を狙うなんて一つしか無い。
だからこそ、穏便に事を済ませるためにも敵対を示さないでおいた。
「──“孤絶ノ衣”、やっぱり便利だな」
ある程度強い魔物が出なくなる場所まで渡れたところで、『騎士王』謹製魔術を起動。
魔力が体を包み込み、外部から向けられる殺気のようなものから俺を守ってくれる。
無制限に持つわけでもない。
強い存在や優れた索敵能力の持ち主が居る場だと、その分だけ消費する魔力の量が増大するからな。
エクリのスペックと言えども、無尽蔵とはいかないのでさっさと蓮の葉から移動。
──水と地面との境界線、空白領域へと逃げ込むのだった。
◆ □ ◆ □ ◆
「湖の次は荒野か……採掘も、ちょっとぐらいならできそうだな」
魔獣がまだ支配していないフィールドに到着した。
そこは草の生えていない荒野──ただし、小説ならよく書かれる無人の、ではない。
「今なら平原の方も、ああして拠点を作っている連中がいるのかな?」
参加者たちが数百人集まって、一ヵ所に拠点を築き上げていた。
どうやらこのフィールドでは、一致団結することを選んだようだ。
「魔獣たちに対抗して、自分たちの拠点を護るのも悪くは無いか……いや、むしろこの方が正解か?」
《魔獣が参加者たちの滞在を許容するのは、あくまで優先するべき敵対存在が居るからです。周囲にそういった存在が居なくなった場合、結果は言うまでもありません》
周囲に虫が飛んでいたとして、やっておかなければならないことがある。
邪魔をしなければ放置するが、鬱陶しいなら排除を選ぶ。
そして、やることが終わったならば次にやるべきことをする。
そうして何もかもが終わった時、煩わしい虫は排除されるだろう。
「徒党を組んで戦えば、まあ倒すことはできずとも一時的に追い返すことぐらいはできるのかもしれないな」
《参加者の実力も、上澄みはかなりのモノです。そういった者たちが集まれば、討伐も夢ではないかと》
「徒党を組めればな。報酬も用意されているイベントで、みんなが仲良しこよしで遊んでいられるわけもないし。さて、鉱石をある程度回収したら、次の場所に行くぞ」
普段なら:DIY:を使えば一発だが、今は能力の制限が掛けられている。
ドローンなどの便利グッズを確保するためにも、道すがら集めておかないとな。
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