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DIY、とにかく戦い続ける
特殊耐久サバイバル部門前篇 その04
しおりを挟む見た目と言動はチンピラ、だが振る舞いはとても真摯な休人たちに遭遇する。
とても親切だった彼らに情報を貰い、お礼としてエクリに微精霊を渡してもらった。
「[マップ]自体は使えてよかったよ。正規の地図よりかは劣っているが、それでもある程度地形を把握することができた」
一面の平原より先、一定の距離を越えると突如として環境が大きく変化するらしい。
境界線のようなものがあり、彼らはそれをきちんと記してくれてあった。
「周りは火山、樹海、湖……残り一面はまだ彼らは行っていなかったから不明。そして、それぞれのエリアに強力な個体が居ると」
《魔獣でしょう。固有種に匹敵する力を保有し、その中でも上位の個体は己の領域を生み出すことができます。お嬢様の使役する魔獣もまた、領域を展開可能な個体です》
「ああ……あの熊だったっけ? でも、マイがそれっぽいのを使っていた記憶はまったく無いんだよな」
《簡単に使えるモノではございませんので。また、野良の個体と違い使役された個体にはいくつか制約があるとのこと》
まあ、マイのことは今は置いておこう。
思い出す限り、マイの使役する魔獣王はかなり強そうだった……その強さに加え、領域の展開による場の改変をしてくると。
「うん、ヤバいな」
《ですが、彼らは高い知性を持っている場合が多いです。交渉を行い、拠点を整えることも不可能では無いでしょう》
「そういうと、火山は無しになるのかな? 樹海か湖か……地形効果とかを考えて、行動しないとダメだな」
エクリのスペックであれば、どんな環境であろうと活動可能ではある。
また、俺もエクリの影に居るのであれば、安全を確保することができるだろう。
「平原を拠点にするのもいいが、そう考える連中と遭遇するのは不味いな。人数が多ければ多いほど、ジンリの手の者が増えるだろうからな……」
俺と同じオンラインゲームをプレイしていたジンリ、何だかんだ執着している俺は可能な限りアイツの関係者と接触することを避けておきたい。
俺はルリとショウ、マイとの時間を奪われるわけにはいかないんだよ。
……アイツに本気で迫られると、受け入れざるを得ない状態になりそうだしな。
「──よし、まずは湖に行ってみよう。そこである程度、魔獣の影響を調べておく。問題ないなら火山に行くことも検討する」
《その狙いは?》
「鉱石とかだな。途中の魔物の素材で賄う予定だが、やっぱり金属が欲しい。素材の採取も途中でやっていこう──エクリ、任せる」
《畏まりました》
そんなこんなで予定も決まる。
貰った[マップ]を参考に、湖に着く方角へ向かって行くのだった。
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