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DIY、とにかく戦い続ける
特殊耐久サバイバル部門前篇 その03
しおりを挟む万能な術式“千変宝珠”、それをさらに拡張する術式を発動して情報収集を行う。
だがその最中、地上に居るエクリへ接触する者が現れた。
「映像が来たな。おっと、何だよアレ……世紀末のチンピラみたいな集団だな」
《あのバイクは持ち込みですね》
「まあ、そうじゃなかったらビックリだよ。あんなアイテムが出てくるフィールドも、そうじゃなくてもそれを創れる職人とかだったら逆に怖い……」
蛮族のような恰好をした休人たちが、エクリの前に並んでいる。
すぐに迎撃をするべきかも悩んだが、囲んでいるわけでもないのでまずは様子見。
「それで、相手の目的は? まさか、そこまでドテンプレに略奪を──」
『ヒャッハー! お嬢ちゃん、こんな場所に一人で居るとはぶっそうなこった! どうだい、俺たちを雇わねぇか!?』
「…………ん?」
《創者様、いかがなさいますか?》
「と、とりあえず、話を聞いてみてくれ」
そうしてエクリによる聴取が始まった。
見た目によらず、というか創作物でよくある定番と言えば定番……ゲーム内で悪役っぽい見た目をしたい集団だったようで。
ヒャッハーな感じでありながら、普段はボランティアをしているようだ。
……ちょっとでも見た目で疑った俺が、悪いのだろう。
「うーん、お願いしてもいいんだが、俺とエクリの関係性を知っているヤバい連中に目を付けられても可哀そうな気がするし……こういういい人たちって、俺に任せて先に行けとか素でいいそうだもんな」
《では?》
「申し訳ないが、お断りしよう。ただ、こちらも誠意は見せておきたい。移動手段的に、地形情報なんかは不要か……エクリ、簡易で精霊を付けてやってほしい」
《畏まりました》
エクリの核を成す固有種の遺製素材。
それは精霊を主とした存在であるため、彼女は種族性質のような感覚で闇の精霊を生み出し操ることができる。
エクリは自らの影から闇の微精霊を生成、彼らに従うように指示を下してそれを渡す。
彼らは戸惑い、すぐに遠慮したが……平然としている彼女にやがて受け入れた。
過度な遠慮が、迷惑に繋がるという配慮。
本当、人が出来ている素晴らしい集団……早めに退場しない一助になってほしいな。
「……闇の微精霊が居れば、暗視もできるしピンチなら一度だけ防ぐこともできるし。そういう使い切りみたいな感じの方が、相手も罪悪感が薄れるだろう」
彼らはエクリに集めたフィールドの情報を提供し、この場から去っていく。
どうやらバイクの走行音を聞いて集まる過程で、様々な場所を見てきたらしい。
ドローンが無くて情報収集も普段より遅れていたのだが、彼らのお陰である程度先の場所を知ることができた……さて、これからいい場所を見つけないとな。
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