虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門終了 その08

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 特殊耐久サバイバル部門に持っていくアイテムは、なかなか決まらない。
 今使っている装備品だって、条件次第でその一つの枠に入れずとも使えるからな。

「まあ、翔がすぐに仲間の子たちに合流できるなら、何とかなるだろう……何か、そういう方法はあるか?」

「うーん、普段使ってる連絡とかは使えないルールだしな……」

 便利過ぎる[ウィスパー]など、休人だけでなく今は『プログレス』装着者全員が使えるシステム関係は、今回一切使えないよう明記されていた。

 ただし、連絡ができないわけではない。
 これは俺が先んじて悩んでいた、収納云々と同じこと……つまり、何らかの形で現地調達できるならOKなのだ。

「翔の『ブレイブソウル』に、仲間との連絡も含まれていたらな……」

「……できるかな?」

「あら、信じてみれば意外と簡単にできるかもしれないわよ? だって、それは翔自身の強い想いで出来た力なんですもの」

「そうだな。今までは[メニュー]関係のシステムがあったから、それを意識できなかっただけかもしれない。『プログレス』はあくまで補助でしかない、翔が強く願えば可能性は十分にあるぞ」

 願望機の劣化版、それが『プログレス』。
 翔の逆境にもめげない強い魂、そして仲間たちへの信頼感が能力を発現させている。

 方向性はある程度調整できるが、その根幹から大きくズレた能力は生まれない。
 だからこそ、仲間との絆を前提とした力を持つ翔に、可能性が存在するのだ。


 閑話休題バトルもののラブコメ


 翔の努力に期待、ということで話はアイテムの持ち込みに戻った。
 そこからは家族でいくつか例を挙げ、そこに意見を出していく形となっていく。

「──いっそのこと、大きな物にアイテムをいっぱい入れたらいいんじゃないかしら?」

「それにも限界があるからな。矢筒に大量の矢、あと銃に拡張で弾丸を……って形ならそれなりに入れられるけど。その考えで言うなら、瑠璃は宝石を溜めておけるだろう? それなら、使えるんじゃないか?」

「それは……たぶんできるわね」

「で、宝石は上手く触媒として使えば基本的に何でもできる。魔法の威力補正、他にも特殊な補助効果。瑠璃の『援天』もあるし、あと…………騎士団の誰かしらと合流したときのサポートになるはずだ」

 瑠璃……アズルの初期種族は【宝石獣】、その名の通り宝石に関わる種族だ。
 そのため、今に至る過程でそういった能力が備わったと本人から聞いたことがある。

 EHOにおいて宝石は、様々な用途で用いることができる触媒という扱いだ。
 先ほどの説明の用途、またそれを前提とした他者との交渉など……大変便利である。

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