2,665 / 2,815
DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門終了 その03
しおりを挟むこの大会を最後に、殿堂入り扱いとなってしまった俺。
いつかは『騎士王』級の連中と、試合することになるらしい……先延ばししたいな。
「まあ、これについては後で考えることにして忘れるとして、今は特殊耐久サバイバル部門について考えないとな。俺たちの決勝が終わってから、情報が開示されたんだよな?」
《はい。直前、というほど前ではありませんが、ある程度は──まず、持ち込むことができるアイテムは一つのみです》
「サバイバル……というか、無人島に持っていく物は一つだけみたいな話は、昔から定番らしいけど。アイデアとして、それを挙げたヤツが居るってことか?」
もともと、この部門は休人たちに求められたアンケート調査で出たものだ。
大まかな内容だけでなく、こういったルールもそちらからアイデアを貰ったのかもな。
《また、これまでの試合と違い、予選・本戦と試合が分けられておりません。参加者は一度に特殊なエリアへ転送され、時間になるまで残った者が全員入賞となります》
「なんか、これまでより仕様が雑な気がするな……ああ、これってテスト版なのか」
《おそらくは。今後のイベントで、より多くの参加者を対象とした何かが行われる、そのための布石でしょう》
まあ、今回だけでも四桁ぐらいは普通に居ると思われるのだが。
そんな別空間に放り込まれた俺たちが、生き残れるのかを調べるのが今回の部門。
「それで、どんな感じの試合になるんだ?」
《それが……現時点で開示されている情報、それが以上となっております》
「……不味くないか?」
《控えめに言って、不味いかと》
「──制限時間、発表されてないのか」
どれくらいの間、その別空間に飛ばされるのかが明言されていないのだ。
当然、消耗するアイテムを選んで持っていけば、最悪終わる前に使い切ってしまう。
だからこそ、それを把握したうえでアイテムの吟味などを普通はしたくなる。
……だがここでふと、かつてのイベントを思い出す。
「生産部門の時は、そういう場所で加工ができる魔物なんかも出てきたよな。そもそも、バトルロイヤルをやるわけでも無いし……つまり、優先するのはそういう生き残るために必要なアイテムか?」
現地調達すれば、持っていかずとも困らないという理屈。
それについては、:DIY:を持つ俺が誰よりも有利な点といえよう。
ちなみに、空間拡張系のアイテムを持っていても、ましてやそれ関係の魔法やスキルがあっても意味は無い……一時的にリセットされる仕様らしいからな。
1
お気に入りに追加
646
あなたにおすすめの小説

【完結】会いたいあなたはどこにもいない
野村にれ
恋愛
私の家族は反乱で殺され、私も処刑された。
そして私は家族の罪を暴いた貴族の娘として再び生まれた。
これは足りない罪を償えという意味なのか。
私の会いたいあなたはもうどこにもいないのに。
それでも償いのために生きている。

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる