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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門後篇 その28

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 エクリと『陰陽師』、カエン&アリアと一火──そして、俺と九拿。
 相手に選ばせず、こちらが一方的に選んだ組み合わせだが、それでも続けられている。

 ちなみに現在、刀を打ち合わせたらまったく膂力が足りないために吹き飛ばされた、虚弱な俺です。

「……」

「くっ、何という力ですか……」

「……そんなに強く振ってないよ」

「くっ、何という力ですか……!」

「……うん」

 神子という特異な存在自体が、身体能力における頂点を冠しているようなもの。
 それに加え、『陰陽師』から式神補正を受けているため、より強化されている。

 そして何より、相手取っている俺は小数点以下の筋力と攻撃力。
 まともに打ち合ったところで、そりゃあ吹き飛ばされて当然といったところ。

「──“貼地路在”」

「今度は、ぶった切る」

「いいえ、そうはさせませんよ」

 すでに俺の実力は、妖刀の奪い合いを迷宮でした時に確認済み。
 そのうえで、先ほど打ち合ったことで大して変化が無いことも発覚している。

 だからこそ、いっさい警戒せず力を籠めて彼女は妖刀を振るった。
 先ほどと同じように、こちらもまた刀を重ね──踏み止まる。

「ん?」

「お返しです──よ!」

「むっ!?」

 体が切り離されるわけでもなく、吹き飛ばされるわけでもなく。
 その場に残り、また反撃に移った俺に訝しむ視線を向けていた彼女。

 だがその表情は、俺の振るった刀を受けようとした時点で急変。
 ──刀は彼女の妖刀を擦り抜け、彼女自身に当たった。

 そして、その出力。
 脆弱な攻撃を肉体のスペックで無力化しようとしたのだろう──だが結果、彼女は先ほどの俺のように勢いよく吹き飛ばされた。

『──九拿!?』

『行かせません!』

 上空でエクリを相手取っていた『陰陽師』も、さすがの結果に驚いている模様。
 まあ、今まで無かったような異常事態だろうしな……仕方がない。

 吹き飛ばされた九拿は、それでも高い身体能力を使いバク転──すぐに着地する。
 手をグーパーと動かし、他にもいろんな場所を確かめてから、ある結論に至った。

「……さっきの、私のヤツ?」

「ご明察。正確には、そこに少しばかり力を加えさせていただきました」

「むぅ、厄介」

 エネルギーの増幅、そして解放。
 それは武闘派仙人の『闘仙』さんが、仙丹で行っている技術のようなもの。

 今回行ったのはそれと似たこと。
 受けたダメージを体内で流動、増幅させてそのままお返しした。

 普通ならできない、だがそれを可能にする下準備をしてある。
 それが“貼地路在”、滞空用の術式として創ったのだが……その応用も存在する。

 正しくは、『足場となる踏ん張れる場所を創る』というもの。
 ──つまり、足を離さない限り残り続けることができる力場を創る、そんな術式だ。

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