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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門後篇 その27
しおりを挟むつい先ほどまでの一連の攻撃、その主柱を担っていた妖刀[宿業]を回収。
それにより、状況が変化──四対三と有利な状況に(いちおうは)なった。
「エクリ、貴女は『陰陽師』のお札の処理に専念してください。本人を狙っても……といいたいところですが、可能な限り、安全マージンは保ってくださいね」
「はっ!」
「カエン、そしてアリアで一火を確実に討ってください。何だかんだ、あの娘たちを彼女が率いていることには理由があるはず。そこに気を付けてください」
「お任せください」
『────』
この試合の勝利条件は、あくまでも対戦相手を倒すこと。
一火を討とうと決着にはならないが、それでも先に減らしておきたい。
だからこそ、俺を含め四人の内半数を出して確実な勝利を狙う。
エクリは『陰陽師』に差し向けているが、そちらはあくまで足止めがメインだ。
「そして、私は貴方の相手ですよ。さぁ、どうぞお付き合いください──九拿さん」
「……本気?」
「ええ、勝利を求めて挑ませてもらいます。貴女が居る限り、『陰陽師』さんに勝つことは不可能ですので」
「そう……なら、全力で行く」
これまで足止めをしてくれていたエクリとて、決して手を抜いていたわけでは無い。
俺たちの最高傑作として、必殺技以外のすべてを用いて戦ってくれていた。
だが、九拿は十全な状態で居る。
こちらは『プログレス』だけでなく、職業にも就いていたというのに……正攻法では、勝つことができないわけだ。
「……それ、使わないの?」
「燃費が最悪ですし、喰われるのはごめんですからね。であれば、別のモノを使うのが好ましいですよね」
「残念」
妖刀喰らいの妖刀と打ち合うほど、俺もバカじゃないからな。
さっさと[インベントリ]に片づけて、代わりとなる武器を取り出す。
「──『夢幻刀』」
「それ、食べれる?」
「最初の質問がそれですか……妖刀ではございませんので、ただ刀を壊すだけの結果になりますよ。つまり、意味はありません」
「ならいい、壊すだけ」
神子としての尋常ならざる肉体スペック。
それをフル活用した初動──縮地をほとんど力尽くで行った。
死角から迫るという一点を除き、技術を用いずただ全力で地面を蹴るだけ。
まったく見えないその動き、だがエクリが集めてくれた戦闘データが動きを導き出す。
それに合わせ、不可視(物理)と化したその一撃に刀を重ねる。
──そして、単純な膂力不足で吹き飛ばされるのだった。
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