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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門後篇 その23

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 空から舞い降りる千羽の鶴たち。
 紙で──術式が刻まれた式符で折られたその鶴は、何かに接触すると同時に刻まれた効果を発揮し、周囲に甚大な被害を及ぼす。

「はてさて、どうしたものですかね」

 当の術者が俺の遥か上空に居るため、そこまで向かい邪魔をしなければ終わらない。
 だが途中には式神少女たちのうち二人が居て、突破しようにも鶴たちに狙われる。

 アリアはそんな少女たち二人を相手取っていて、カエンはそちらに援軍が向かわないよう食い止めてもらっている最中。

 また、うちの最高傑作であるエクリも、同じく『陰陽師』の最高戦力である九拿を抑えてもらっているため、誰も手を出せない。

「チャンスは一度切り、ですかね……」

 闘技大会の仕様上、死亡判定を何度も受けていると強制退場となってしまう。
 だがこれから行う切り札には、確実にそれがかなりの量必要となる。

 それでも、相手が相手なので仕方がない。 試合前、『SEBAS』には運営に問い合わせをしてもらっている──何を以って死亡判定で、またその基準は何なのか。

「──そして何より、死亡判定に対する蘇生が行われた場合に、どうなるのかを」

 結果、それもまた強制退場の判定に加えてくれるとのこと。
 俺とは似て非なるビルドの中には、蘇生を前提としたスタイルの使い手も居るのかも。

 そんなわけで、アイテム以外で蘇生できる手段があれば、強制退場を引き延ばせる。
 それを理解したうえで、これから行う大博打──あとは合図を送るだけ。

「カエン、やってください」

《ぐ、うぉおおおおおおおお!》

「な、なんじゃ!?」

 式神少女たちが驚く光景、それはこれまで立ちはだかっていた液体金属が一気に蠢き上へ上へと体を引き延ばしていったため。

 それでも止める者は誰も居ない──なぜならその先に、『陰陽師』もアリアたちも居ないからだ。

 ただひたすらに上を目指し、舞台を覆う結界の最高度地点にまで向かった液体金属。
 それがいったい何をするのか、あるいはその意図は何なのか。

 これは囮、そう考えたのか周囲の警戒も取り始める式神少女たち。
 上空に居る二人、そして『陰陽師』とのその隣に侍る八倶も同じだった。

 さらには千羽鶴も周囲に散会し、特に液体金属周りを念入りに調べている。
 ──ドスッ、と何かに軽く押されたように『陰陽師』が動いたのはそのすぐ後だった。

「『生者』、はん……」

「お久しぶりですね、そしてまた会いましょうか」

「主よ!」

 背中から刀を一突き、スペックの低い俺の攻撃では精々揺らす程度にしかならない。
 それでも、防御無視かつ確定ダメージなのでその刀は確実にダメージとなる。

 まあ、俺は俺で八倶が振るう高速の居合でバラバラにされたのだが。
 肉体はボロボロ、そして容赦なく辰の式神である五恵が息吹を浴びせ焼き焦がす。

 ──そこまでしてもなお、死なない俺はただ一言呟く。

「──“閃の嵐刀兎マガツミカヅチ”」

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