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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門後篇 その01

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 更なる強化を図らねば、敗北し討滅されるかもと考えた準々決勝後。
 それでも時は等しく巡り、ついに準決勝の時間を迎える。

「……よし、やるぞ!」

《旦那様、何か良いことでも?》

「みんな、客席に来ているらしい。何だかんだ全員、『天』の座から降りてないしな。その席でも観戦中だってさ」

 休人限定で与えられた、特別な[称号]である『天』。
 使い方次第では逸脱した連中にも匹敵できるそれらを、俺たち家族全員が持っている。

 その恩恵の一つとして、闘技場におけるVIP待遇もあるのだ。
 ……奪い奪われの[称号]のはずだが、俺のヤツは全然狙われないんだよな。

《旦那様の『死天』、『統天』、『巧天』、そして『冒天』はどれも旦那様に匹敵しうるだけの成果を出せていないからでしょう。挑戦には最低限、保有者に近しい数値を出していなければなりません》

「…………少なくとも、『死天』と『巧天』は止めない限り俺のモノだな」

 死んでもノーリスクで復活し、:DIY:によって何でもかんでも作っている俺。
 他二つは努力次第かもしれないが、これらは間違いなく譲渡されることなど無い。

「まあ、それはいいとして……対戦相手は誰なんだ?」

《──武闘世界、『極逸:先読』です》

「……カウンターとか狙ってきそうだな」

《事実、これまでの試合でも相手の動きを見切った対応をしていたようです》

 どういった理屈での先読みを使ってくるのかは不明だが、相性がいいのか悪いのか。
 やはりその辺は、相手の先読みの理屈次第かもしれない。

「『SEBAS』、勝てると思うか?」

《──滞りなく。旦那様がそれをお望みとあらば、必ずやもたらしてみせましょう》

「そりゃあありがたい……注意するべきはその権能名で、いったいどうやって俺を討滅するかだな。相手が捨て身の突貫で封印を、みたいな展開になるとちと不味いだろうし」

《はい。こればかりは対応も推測の域を超えることができず、何とも……》

 現在、俺を討滅──まあ多分アカウント抹消?──することで、何でも願いが叶う的な状態だからな。

 特に星から権能を授かった連中、あるいはそれに準ずる力を職業システムで得ている連中などは、星から更なる報酬を約束されて俺の討滅に挑んでいる。

「しょうがない、これもぶっつけ本番ってことになるのか。小細工少々、それに本命のヤツも持っていけばどうにかなるだろう」

《よろしいのですか?》

「背に腹は代えられん、出し渋るよりは押し切って誤魔化す方がいいさ」

 そんなこんなで、作戦会議をしていれば定刻となる──準決勝、開始時刻だ。

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