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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その50
しおりを挟む判定まで持ち込み、『忌創展概』に勝利することができた。
その過程で交渉をしてみた……運に恵まれれば、彼女は望むことができるだろうな。
「…………ようやく準決勝、か。ショウもマイも敗退しちゃったし、家族の分も俺がいいところを魅せないとな」
ショウを下した『理操の導き手』、マイを下した『陰陽師』。
そして、もう一人……武闘世界の逸脱者である『極逸』がここまで残っている。
「というか、今回『忌創展概』がやったみたいな対俺用の滅殺ルール。アレを他の連中もやってくるんだろうな」
《それは間違いなく。星敵でありながら完全に討つことが難しい、そんな旦那様を滅ぼす機会ですので》
「……だとしても、負けられないからな。盛者必衰とは言うけれど、それでも抗い続けて勝ち残ってやる」
その方法に違いはあれど、彼らには星という最高権力が味方に付き支援を行われる。
先の対戦相手、『忌創展概』の立ち回りも生産世界の支援があってこそだった。
無制限部門──ほんの少しの縛りを除き、ほぼ何でもありではある。
だからと言って、まさかあそこまで干渉してくるとは……。
「冒険世界……は分からんが、他二つは参加者のスタンス次第でやりかねんな」
《いえ、スタンス以上に星からの命を、彼らは実行するでしょう。彼らの矜持よりも、為すべきことを。星の意とは、それほどまでに重いものですので》
「あの『理操の導き手』もか?」
《はい。魔導世界において、『八大星魔』たちが指令を受け、『愚かな賢者』以外がそれに逆らえない理由を持っているように……》
「まあ、逆にあの人の方が凄いんだよな……いい意味でも悪い意味でも」
守るべきモノが無いならば自由、それをまさに地で行っているのが『愚かな賢者』だ。
いくつかそれでもできることはあるだろうが、それは魔導世界も損をするからな……。
だからこそ、やりたい放題なのだ。
しかしそんな存在は例外、『八大星魔』たちはその権能に見合うだけの責任を背負い、星の意を受けて行動している。
「……『忌創展概』はどうなるんだろうな」
《彼女の目的である星の解体、それを達成することは極めて困難でしょう。監獄に向かい星敵を討つ、あるいはそれをするに値する功績を得る……それらをせず、目的を諦めないのであれば一つしかございません》
「まあ、偽装大陸に空きはある。ついでにそれっぽい秘密の研究所でも用意しておこう。開示できる情報で、ちょっとだけ非合法感が出ているヤツを頼むよ」
《休人向けに、考えてはおりましたのでそちらをリソースを少々使ってしまいますが、よろしいでしょうか?》
「了解、そっちに任せるよ…………人形も今の時代に合わせて、少し改良を進めるか」
アイスプルの住民は、基本が魔物でそれを補うように人形を配置している。
休人たちを鎮圧させる機構を組み込んだ機体も居るが、基本は数で抑え込む仕様だ。
しかし一騎当千の休人も着々と増えつつあるし、星敵を討つ大義名分でいつか他の世界から逸脱者が来るかもしれないエクリ級の人形も、増やすべきなのかな?
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