2,604 / 2,752
DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その32
しおりを挟むショウが『理操の導き手』に敗れた。
判定負けという形ではあるが、相手の思う通りの結果ともいえる……事実、ショウはそう考えているだろう。
「[ログアウト]したら、いろいろと話さないとな……」
とはいえ、ショウもそこまで落ち込んではいないだろう。
正しく言えば、落ち込んでも寝ればスッキリするぐらいのこと。
ショウは最強じゃない、いかにルリの息子として主人公体質みたいな存在だろうと、あらゆる敵を倒すことができる……そんな超人染みたスペックを有してはいないのだ。
そんなわけで、残念会をするぐらいでいいのだ……問題は、この後の試合だが。
俺とマイ、どちらも負けるのであればそれはそれでいい。
しかしどちらかが勝った時、とても気まずくなってしまう……。
うん、特に俺なんかいったいどういった発言をすればいいのか分からなくなりそうだ!
「こ、こほん……それについては後々じっくり相談させてもらうとして。もう一戦、気にしないといかんなぁ」
《『陰陽師』ですね》
「そう、『陰陽師』。あの娘もあの娘で、いろいろと隠しているからな……マイにも把握できている限りの情報、あと【陰陽師】の基礎情報は送ってあるから、参考にしてくれると嬉しいな」
本来、職業としての【陰陽師】には式神の使役数制限というものが存在する。
だが『超越者:陰陽師』にはそれが無く、無尽蔵の契約が可能となっていた。
まあ当然、何の代償も無くというわけでもない……単純に当人の素質が問題である。
それだけでなく、他の要素も持つからこそそのバランスに悩むのが【陰陽師】なのだ。
「まず定番の符、というかこれが一にして全な気もするか。攻撃、防御、バフデバフ、そして式神の使役……全部これだしな」
いちおう言っておくと、別の符を使わない運用方法もありはする。
だが『陰陽師』はそれを使わず、基本的に大半は符を使うスタイルだった。
「事前に仕込みをするのがコストとして面倒ではあるけど、いざ実戦となった時に超低コストで大半のことができるのがメリットか。ついでに言うと、それがあるからこそ別のことにも符以外の手段を用いれる点も」
当然、そちらの準備を怠っているわけも無いので、その対策も必要だ。
しかしながら、やはり彼女を相手取る場合に最大限警戒しなければならないのは──
「式神たち、だよな……」
《はい。契約できていること自体が異常なレベルの式神を、複数体。権能で可能なのはあくまで契約の数の制限の解除のみ、残りはすべて、彼女の才能によるものです》
「……本当、どうかしていると思う」
分かりやすく言うと、準逸脱者レベルの連中を同時に相手取るようなもの。
いかにマイが数で攻める従魔師とはいえ、相手も同じタイプだと……はてさて。
1
お気に入りに追加
645
あなたにおすすめの小説
催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~
山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。
与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。
そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。
「──誰か、養ってくれない?」
この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
World of Fantasia
神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。
世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。
圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。
そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。
現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。
2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。
世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる