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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門前篇 その30

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 未だ使われずにいる魔術、その理由について考えたりしていた。
 魔力を操る、そのうえで自分だけの力にする……切り札足り得るのかもしれない。

「ショウは……剣を替えたな。アレにはどういう効果があるんだろうか」

《旦那様の[フライハット]はたしかに硬く頑丈ではありますが、性質として土系統の属性から大きく外れることはできません。アイスプルでの試合であればともかく、別世界では得手不得手が生まれてしまいます》

「だからこその交換か……まあ、俺も別に剣一本で無双してほしいって考えて打ったわけじゃないからな。とりあえず壊れない剣、ぐらいの想定だったし」

 アレはそもそも、初期の話だしな。
 全身全霊で打ち上げた剣、途中技術の向上なのでアップデートをした逸品だが、決して『騎士王』や【冒険勇者】の剣に及ばない。

 彼らの剣同様、星具という逸脱した武具の仲間ではあるがあくまでほんの少しのみ。
 せいぜい壊れない、チュートリアル用の剣でしか無いからな。

《対して、坊ちゃまが現在お使いになられている剣は、対魔導士戦を想定した一振りのようです。詠唱の遅延や妨害、阻止などに加えて術式の破壊など……使用そのものを拒むような能力を秘めております》

「システムを経由する魔法、そうじゃないけど毎度アイテムを通してからじゃないと使えない魔装には通じるってことか?」

《正しくは、通じるように設計されているといったところでしょうか》

「……うん、いいな。さすがはショウが目を付けた職人さんってことか」

 ショウがEHOを始めて出会い、懇意にしている職人の休人が居る。
 その子によって作られたのが、現在ショウが使用している『妨涜の剣』。

 希少な素材がこれでもかと使われており、俺でも創るのは困難な代物だ……主に使っている素材関係で。

 そんな剣を使いだしたことで、ショウの攻撃が『理操の導き手』に届きだしていた。
 魔法の発動は後らされ、魔装の起動もあっさりと対処され始めたからである。

 魔法はともかく、魔装は手を変えてもその中身自体はそう変えられない。
 これまでの苦戦の中できちんと学び、活かしているからこそ対処できていた。

「……頑なに魔術を使わないけど、そうまでして温存したいわけじゃないよな?」

《いえ、それで間違いないかと……情報を隠し通しているのかもしれません》

「ショウ…………」

 はっきり言ってしまえば、別に『理操の導き手』がどこまで秘密を持っていてもどうでもいい。

 が、それを隠し通すためにショウを相手に手を抜いているのだけは気になる。
 無論、相手からすれば使っている魔法と魔装に関して手を抜いてはいないだろう。

 それでも、魔術をいっさい使用していない現状はある意味似たようなもの。
 ……ショウが“オーバーブレイブ”を使わないのは、それが問題だな。

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