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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その27
しおりを挟む三回戦で俺たち家族とぶつかる逸脱した連中、その確認を行った。
三分の二が知らない相手だったのだが、どちらにせよ強いことだけは確実である。
「今回はショウとマイの方が先に試合をするみたいだな……『理操の導き手』、そしてあの『陰陽師』。どちらにせよ、強敵であることは間違いないな」
三回戦は最後に戦うとのことなので、俺はのんびりホテル内で試合観戦をしていた。
子供たちから会場での観戦を断られているので、仕方がない。
そうこうしていると、定刻となり試合が始まる。
三回戦の幕を開くのは、剣士の少年と学者然とした魔導士。
つまりショウと『理操の導き手』、彼らの試合がトップを飾る。
運営公式の映像に加え、『SEBAS』が飛ばしてくれたドローンを使い視聴中だ。
「『理操の導き手』……天空の学園都市を統べる長にして、魔術・魔法・魔装を操ればそれぞれNo.2だという天才。ショウが就いている【剣星】同様、魔力における最高峰の証【魔星】の就職者」
各分野のトップはそれぞれ『八大星魔』が有しているのだが、二位の座を彼らの配下ではなく『理操の導き手』が独占しているというのが恐ろしいところ。
一つひとつ、単一での勝負であれば彼らに劣る代わりに、組み合わせた時に異様に強くなる……タクマから得た情報には、そのような記述があった。
「権能の詳細は不明化……まあ、その組み合わせ云々が関わっているんだろうけど」
《理由をお聞かせください》
「ゲームとかで、職業ごとに出来ることが違うのを真面目に説明すると、だいたい体系で扱いが違うから、とかなんだよな。魔術と魔法と魔装、それらを併用できるんだからその理が狂ってるってことだと思ったんだよ」
独りで何でもできる者はそう多くない。
魔力を扱う分野に絞っても、回復や支援、防御や攻撃などその用途は様々だ。
それだけでなく、EHOでは異なる体系という運用方法の差も存在する。
スキルに依存した魔法、時運が求められる魔術、技術が形となる魔装。
使い方が違えばそこに求められるモノも違う、だがそれを『理操の導き手』は扱う。
それだけの才、だけでは説明できない理外の力がそこにはあるわけだ。
「一筋縄ではいかないだろうな……あるいはここで詰み、か。“オーバーブレイブ”無しで通るのは無理だろうが、使ってもなお微妙かな? 修行の内容次第か……」
遺製具の移譲は凄いと思ったが、それだけでは勝てないだろう。
──さぁショウ、今こそ修行の成果を発揮するときだ!
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