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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その26
しおりを挟むあっさりと蹴りが着いた二回戦。
それはショウとマイも同様で、本当に作為というものを感じてしまう。
「ともあれ、そうなると三回戦だよな……はてさて、どうなることやら」
《旦那様、明日の対戦カードが出ました》
「よし、来た来た。結果発表っと──」
闘技大会の対戦カードは、トーナメント形式では無くランダムによる形式。
その日の最終試合が終わった後、残った選手を再度マッチングさせるタイプだ。
ちょうどマイが今回の最後の試合だったので、それを観戦した余韻に浸っている間に三回戦の組み合わせが決まっていたらしい。
なので、それを見てみよう──
ノーネームVS『忌創展概』(生産世界)
ショウVS『理操の導き手』(魔導世界)
マイVS『陰陽師』(冒険世界)
──うん、二回戦との差よ。
各世界の逸脱した連中が、挙って対戦相手となっている絶望的な状況である。
正直、この試合のためだけに元の世界から出ているのを心配するヤツも混ざっていた。
……鬼の居ぬ間に洗濯ならぬ、彼女の居ぬ間にグーデターとか本当に起きかねん。
「とりあえず、マイには忠告として情報を提供しておこう…………アレはいくらなんでも初見殺しになるだろうし」
彼女──『陰陽師』が有する九体の式神。
そのすべてを使うのかはともかくとして、下手な相性次第では他の『超越者』を相手取れる性能を秘めている。
「中でもあの娘、九拿が本当にな……お持ち帰りした妖刀も使いこなしているだろうし、本当にヤバいだろう」
かつて俺が遭遇した、『陰陽師』が有する式神で最高峰にヤバいと思われる九拿。
高い身体能力を有し、迷宮の地盤すら破壊する膂力を秘める種族【神子】の少女。
それに耐えうる妖刀を探していた彼女と出会い、一時的に行動を共にしていた。
その辺りの情報を『SEBAS』に纏めてもらい、マイに送ってもらう。
「ショウの方は……俺だとどうにもならんから、タクマ辺りにやってもらうよう頼んでおくか。うん、知っている『八大星魔』じゃないな」
実は過半数と遭遇しているのに、そうではない人物を引き当ててしまった。
名前だけなら知っている、たしか一番で買い学園の理事長をやっている人物だ。
「そして俺の相手、『忌創展概』ねぇ……あの『万象戯画』の同類か」
《おそらく、星の指示により差し向けられた刺客と思われます。旦那様が居なければ通常通り、そして対戦することになれば討滅を。何らかの形でそれが可能となる権能を、有しているのでしょう》
「俺の討滅って、『騎士王』でも方法が分からないって言ってたのにな……まあ、未来永劫星から追放できれば成功な気もするし、それができる相手の可能性もある。気を付けておこうか」
討滅の定義、それは本来討伐したうえで復活しないように処理をすること。
だが休人は死んでも復活するため、その定義に含まれなかった。
そんな俺が討滅必須な星敵になったことでこの状況が生まれた…………うん、でも俺は悪くない!
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