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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門前篇 その22

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 複数の遺製具レリック持ちに対し、仲間の遺製具を借りられるという派生能力を覚醒させたショウが見事勝利した。

 ……はっきり言って、実力だけでなく遺製具の獲得数が割と勝敗に左右してしまう。
 そういった意味では、人造だがいくらでも創れる俺は本当に星敵認定が相応しいのだ。

「…………しかしまあ、まだ初戦なのに何ともハードな戦いを繰り広げているのやら」

《創作物などでは一瞬で済むことが多いようですが、一人ひとりが多くの経験を積んでいるのですから。そのうえで、予選を突破できる実力の持ち主たちがぶつかれば、そう簡単には決着はつけられないでしょう》

「例外は逸脱した連中ってわけだな……どいつもこいつもヤバいのに、遺製具もたっぷり持っているからなぁ。うん、外付けの力を盛るんじゃないよまったく」

 まあ、遺製化──固有種討伐報酬のアイテムは、装備品か素材のどちらか。
 そして大半は装備品となるので、装備枠の都合上そのすべてを使うのは難しい。

 切り替える、というのもなかなかに大変だからな。
 今は『プログレス』があるから誰でも可能だが、昔はそれ関係のスキル必須だったし。

「っと、次が始まるな……今度はマイが出てくる試合だ」

《対戦相手は典型的な魔導士タイプの見た目ですが、どう思われますか?》

「まあ、純魔って呼ばれてる完全にそれしかできないタイプでは無いはずだよな。予選で潰されるだろうし、それなら。最低限の自衛ができる職業かPS、それか『プログレス』があるんだろうな」

 遺製具については、本人のスタイルに合わせたモノになりやすいので含まれない。
 ともあれ、いかにもな格好の魔導士が、マイの初戦の対戦相手となるようだ。

「従魔師は先に従魔を呼んでおくことができるんだったか……マイが出したのは、たしか聖天狼だったか?」

《神獣をいきなりとは、どうやらお嬢様には何かお考えがあるようですね》

「ふむ、相手も何か隠しているようだけど、これは……」

《はい、これは間違いないかと》

 従魔に多くのバフを施され、魔導士自身も何らかのバフがエフェクトで視覚化される。
 お互いに戦うため、準備を行って──アナウンスと共に動き出す。

「やっぱりこうなったな」

 そして、決着は一瞬で。
 マイは【召喚士】ではなく【調教師】系統の従魔師だ。

 どちらも魔物を使役して戦う戦闘スタイルなのだが、その違いは生死の重さにある。
 召喚士の従魔は契約を結んでおけば、何度でも同じ個体を呼べるからな。

 だが調教師の場合、死んだら人族同様に蘇生処理が無ければそのまま死ぬ。
 ──その分、死なせないよう調教師には、召喚士以上の支援能力が備わっているのだ。

「マイは最上位職【調律姫】に就いていて、『プログレス』もそれにぴったりな能力がある。うん、無敵化系の能力でもないとそりゃそうなるよな」

 結論から言えば、めちゃくちゃバフで強化された聖天狼が神速で動いてワンパン。
 いわゆるレベルを上げて物理で殴る、能力値の暴論で速攻の勝利であった。

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