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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門前篇 その20

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 ショウの『ブレイブソウル』、そして派生能力“チェインソウルズ”。
 この二つの能力解放により、対戦相手を追い詰めていた──が、状況は一変。

「第三の遺製具レリック……!」

《該当部位は……耳飾り、ですね。聴覚に関する能力でしょうか?》

「それは見てのお楽しみ、といったところだな。ショウは魔法剣を使って、いろんな属性の攻撃をしているようだが…………これは、少し厄介だな」

 ショウの魔法剣は“チェインソウルズ”による繋がりが生み出す、外付けキズナの力。
 仲間である魔法使いが有する魔法、そしてその属性を剣に宿して使うことができる。

 理を無視する擬似権能であるがために、僅かではあるがその兆候が外部に出てしまう。
 ──それを見逃さず、いや正しくは聞き逃さないのが耳飾りの能力のようだ。

「うちの[ミミタブー]と似ているかもな。アレは規格外、こっちはそれを人の範疇に抑えている感じ」

《属性を色で捉える、という視覚的な感性や職業能力はございますが、耳というのは……これは、当人の才覚に依存しておりますね》

「だな。そのうえで攻撃を、柄の遺製具で対処可能なレベルにすると」

 ショウが発現する属性、それに対を成す属性を瞬時に対戦相手は柄に宿す。
 加え、武器の形状も属性ごとに適した形へ次々と変化。

 ……ここまでされると、ショウもだんだんと攻めの姿勢を止めさせられる。
 光線銃は未だに健在、それでも油断していたのだろう──光線がショウの足を貫く。

「曲がったな」

《拡張プログラム『曲光』ですね》

「うん、俺たちが開発側だからよく分かる。ヘビーなユーザーさんのようで」

 基本、真っ直ぐにしか飛ばない光線銃なのだが、それを変更するプログラムを有料で販売しているのだ。

 曲がる『曲光』、広がる『拡光』、炸裂する『爆光』……その他多くのバリエーションが存在する。

 本来、変更に手間が掛かる仕様なのだが、対人戦というのは何とも厄介で。
 どうやら対戦相手は『曲光』の仕様のまま戦い、曲げないで光線を撃っていたらしい。

 そうなると光線は真っ直ぐ飛んでいき、それを見た相手は『曲光』ではないと判断。
 ここぞという場面で光を曲げることで、致命的なダメージを与えるという寸法だ。

「ショウも良く躱したな。何となく、みたいな理由な気がしてならん」

《会話というより対戦相手の表情を見ると、そのような返答をされていると思われます》

 心臓を一撃、というところから何とか回避していたのだ。
 対戦相手も対戦相手で、そこから別の光線で足を貫く判断を取ったのが恐ろしい。

 片足が動かなくなり、ショウはそれでも残された足を使い距離を取る。
 ポーションは使えない、たった一つの無制限部門のルールで回復アイテムもダメだ。

 さぁ、ピンチになったぞショウ……お前はどう抗うつもりか!?

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