虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門前篇 その05

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 残り人数もあと十人ほど。
 隠れ潜んでいた俺は、同じようなスタイルで参加していた狙撃手に狙われた。

 手にしているのは狙撃銃……のような形をした別のナニカ。
 飛んできたものは銃弾ではなく、魔弾──魔力で構築された弾丸だったからな。

「銃の形をした杖、といったところでしょうか……創作物で、たまにそういったタイプも見受けられますが」

《武器種として銃の扱いを受けることはできないでしょうが、それでも当人の認識として馴染みのある代物なのでしょう》

「実際の銃の開発は、まだまだ完璧では無いようですし。アトランティス世界、いつかは訪れてみたいものです」

 現状、休人たちが触れることのできる銃は迷宮産か神代産、あるいは箱庭産の三種類。
 前二つは新たに作られているわけではないので、これまで流通は極めて少なかった。

 が、機械箱庭の解放によってその流入量が一気に増えている。
 しかも開発やらカスタムもできるため、銃使いはだいたいそちらに行っているらしい。

 それでも問題が一つ、機械箱庭ではそこまで弾丸の方の技術が向上していなかった点。
 そりゃあ魔動で大抵は何とかなるし、銃も魔動の照準補正に重きが向いていたのだ。

 迷宮産や神代産は魔弾も割と存在するし、魔法を弾丸にする技術などもあるにはある。
 だがそれに耐えられる銃というのが、全然見つかっていないのだが。

「『修羅』に聞きましたしね、面白い銃がたくさんあると。っとと、そろそろ話は終わりにしないと不味そうです──“完星璧盾パーフェクトスターシールド”」

 正式名はかなり痛々しい、『騎士王』の防御術式を展開。
 飛んでくる魔力を尽く跳ね除け、悠々と辺りを探っていく。

「そこ──“再生入器呼群波狼シャロウ”」

 あたかも自分で見つけたかのように振る舞い、首から下げた勾玉を握り締めて起動。
 地面から、大気から、周囲の攻撃の残滓から生まれた狼がいっせいにそちらへ向かう。

 多勢に無勢、いかに強くともレベル250級の狼の群れに襲われれば倒せる。
 ちょっと時間は掛かっていたが、防御用の何か対策があったのかもしれない。

「それでも倒せました……ついでに全員倒せれば良かったのですが、さすがにそれは高望みし過ぎですね」

 狙撃手を倒した後、狼たちは他の参加者たちを襲った。
 だがバラバラに向かったのも悪かったのだろう、ほとんど返り討ちに遭ってしまう。

 特に酷かったのは【操奏剣主】の所、物理無効の狼も斬殺されてしまっていたよ。
 それでも数は少しだけ減り、残ったのは四人ほど……あと二人減れば終わるな。

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