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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その04
しおりを挟む攻防自在、【操奏剣主】にして『プログレス:サウザンドエッジ』を持つ参加者。
彼は魔剣やら妖刀で他者の力を奪い、剣を周囲に展開させ続けている。
「……もういっそのこと、『林檎』を使えば解決しませんかね?」
《そのことですが、参加者のほぼすべてがその対策をしております。旦那様のやったことすべてを理解できずとも、ピンポイントで不動の相手を殺せる力……といった認識はされていたようで》
「それ自体は問題ありません。ですが、重要なのは何を起点とした対策なのか、ですね。頭部への干渉、術式全般、あるいは自身の耐性強化……やり方次第では、余計にやりづらい相手となったかもしれません」
極悪非道、外道そのものな『林檎』は相手の脳内に直接過重を叩き込み、医学的に行動不能な状態にする超危険な術式。
だがずっと動き続ければ当てづらいし、そもそも脳の周囲をがっちり防御されていると通らない……俺のスペックで使う術式だ、そこまで強烈な圧は掛けられない。
そもそも出力を上げると、無意識で展開される魔力の防御に防がれてしまう。
俺の虚弱さを活かした術式なのだが、無制限部門だと使えないようだ。
「っと、そうこうしている間に第二陣だけでなく第三陣まで……残り人数は?」
《旦那様を含め、十人となりました。お互い残された者たちが実力者だと判断し、これまでは使われていなかった攻撃などを用い始めております》
俺と『SEBAS』が話している間に、もう舞台はクライマックスとなっていた。
先ほどまでは使われていなかった武器、または武技や魔技などが炸裂している。
「……っと、私のところまで来ますか」
俺は宙に軽く浮かんでいて、周囲に巻き込まれないよう防御もしていた。
だが確実に俺を狙う何者かが、遠距離から攻撃を放ってくる。
「──“千変宝珠・弾”」
とりあえず反撃するため、魔力を周囲に展開して放たれた方──とは少しズレた、同じく隠れ潜む者へ射出。
もともとの方向にも人はいるのだがそれは別人、軌道を曲げて撃つことで俺とソイツをぶつけようとしていたのだ。
だがそんな作戦は『SEBAS』がお見通し、普通に曲者へ向けて魔力を放つ。
相手の動きを読み、向かうであろう場所に置く形で攻撃を展開。
読みは見事当たり、攻撃もまた命中する。
小規模な爆発が起きると、一瞬だけ参加者たちが注視し、その隙を突くように攻撃が始まり再び視線は向けられなくなった。
それでも俺だけは、自身を狙ったであろう参加者に意識を向け続ける。
そこに居たのは、狙撃銃のようなナニカを手にする参加者だった。
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