虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門前篇 その01

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 歓談は終了、最後にお互いに祝福を授けたらルリの半端ないバフが炸裂した。
 命運の上昇、それは原人たちにとってただ一つの命を守る重要な効果を持っている。

≪さぁ、皆さんお待たせしました! これより始まるは、無制限部門! 普段は最後に行われていますが今回は特別! 何でも有りなこの戦いを先んじてお送りいたします!≫

 素晴らしいバフの効果はすでに終了し、舞台の上に立つ俺はいつも通りの虚弱状態。
 ただし、先日までの部門と違い術式使い放題なので、いちおう死んではいない。

 複数の『愚者の石』を好きなタイミングで切り替えることもできるし、いちいち悩む必要も無くやりたい放題が可能だ。

「……“忍織貼替”、“生存結界”も正常に作動していて良かったよ」

《この部門ですと、予選の段階での不意打ちが可能ですし、星敵である旦那様を狙う方はすでに何人か確認されております》

「ただ、毎回自然と予選だけはそこまで厄介な人とぶつからないんだよな……誰かの手が入っているのか?」

《間違いなく。旦那様だけでなく、多くの実力者がそうして予選で合わないように仕込みが行われています。それは星、そして神の意向も関わっていますね》

 要はアピールしたい連中が、注目されない場で退場しないようにしているわけだな。
 ……分かりやすい例だと『騎士王』、彼女とぶつかれば大抵の相手は負けるし。

 実際には、彼女は殿堂入りと同じ扱いでエキシビションマッチでの参加しか認められていないだろうが、逸脱者連中がぶつかれば彼らしか確定で残らないだろう。

≪今回も実力のある選手は多いです。中でも注目したい選手をご紹介しましょう≫

 まあ、予選の段階から目を付けてもらうために、こうして紹介はきちんとされている。
 いわゆる保険、少しでもスポンサーが得をするためにな。

「前回も、それに開発技部門でも言ってはいたんだよな……さて、どんな相手が──」

≪そしてそして、前大会にて惜しくも三位となったこの少年! たとえ相手が冒険世界の勇者であろうと、健闘した優れた剣士! その名は【剣星】ショウ! 今回こそは有終の美を飾ることができるのか!?≫

「…………ハッ、ちょっと感動で意識が停止してたな」

≪お次は育命世界への移籍者! ショウ選手の姉にして、荒ぶる従魔たちの統率者! 神獣すらも従える彼女は、果たして弟の敵か味方か!?【調律姫】、マイ!!≫

「………………ッ、今度は心臓が止まっていた気がする!」

 危ない危ない、紹介された子供たちに感動していろんな部分が止まってしまっていた。
 ドローンで『SEBAS』が撮影している映像、あとで確認しないとな。

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