虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門終了 その09

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 月猫教の話を聞いてみた。
 完全に休人たちが忌み嫌う、物欲センサー関係の効果に特化していた。

 説明が終わると次は俺たちの番。
 張り切るルリの言葉を遮り、先んじて失名神話のことを説明することに──そうじゃないと、いろいろと台無しになるからな!

「──といった風に、主神であらせられる創造神様を筆頭とし、各種コンテンツの充実化によって認識を強化、微量とはいえ信仰を多くの方々から得る結果となっております」

「素晴らしい! ただ在るだけでなく、共に置くことができるようにする……ええ、現実でもよくある考えではありますが、その効果が反映されるからこそ、より強い影響力が生まれるのですね」

「幸い、人々にこの有り様を受け入れていただけました。最近発見された荒廃した世界、あちらにも神殿を置かせていただけましたので、更なる布教が可能となっています」

 バシビウスが生まれた世界、今では滅亡世界アンノウンと命名された彼の地。
 そこに存在する唯一の神殿、中で崇められているのは失名神話の神々だ。

「それに関しては私もビックリしたわ。だってあの世界、失名神話以外の宗教を受け入れても建物は全部許してないんだもの」

「偶然に恵まれました。私個人では、どうともならないもの……縁、それを神々の御導きによる得ることができたのです」

 俺の場合、星の遺志そのものと出会い、先にコネを結んでいた。
 それができたのも回り回って、もともとは創造神様が:DIY:をくれたからこそだ。

 事実、神殿には滅亡世界における優位性を得る何かが無いかと、休人たちが参拝に訪れてくれているらしい……形はどうあれ、認識されることで信仰の糧にできるからな。

「ふっふっふ、最後は私ね……とは言っても話せることはあまり無いから、答えられることは答える形にしようかしら?」

「おおっ、現人神であらせられる貴女様への問いが許されるとは……月猫様、どうか私めに加護をお与えください」

「ちなみに、あなたは何かあるかしら?」

「うーん、差し支えなければ、どれほどの信仰を得ているのか、お教え願えないでしょうか? 今後の参考にさせていただきたく」

 ルリが現人神認定されるぐらいに神様扱いされているのは知っているが、それがどれくらいなのかということは分からなかった。

 現実で聞くようなことでもなかったので、これまでは質問しなかったが……せっかくの機会だし、確認してみることに。

「調べてみるわね……えっと、ちょっと分からないわね」

「分からない、とは? たしか、数値化して確認できるはずでしたが」

「そう、たしかに数字は出ているのよ。でもその数字、文字化けしちゃってて……前に見た時はたしかに、全部9だったはずなんだけど……おかしいわねぇ」

「「…………」」

 カンストし過ぎて、壊れたのでは?
 俺もクレセンキャットも顔を見合わせ、そう導き出した自分たちの結論が間違っていないことを確認する。

 ちなみに俺も確認できる信仰値は、少なくとも数十万ぐらいは表示可能なはず。
 失名神話全体で数万ほど、ルリはいったいどれだけ信仰されているのやら。

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