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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門終了 その07

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 新興宗教月猫教代表、クレセンキャット。
 どうやら情報共有をしたいとのこと……だがその前に、止めないとな。

「──アズル」

「ッ」

 普段であれば、俺がルリの名を呼べば自動的に周りにはアズルと聞こえる。
 だがルリ自身にはそのまま聞こえるので、俺にアズルと呼ばれることは少ない。

 だからこそ、俺が意識的に告げたその名前に彼女も反応する。
 ……たとえ今、クレセンキャットに対して何かしらの怒りを感じていたとしても。

「一つ、確認してもいいかしら?」

「はい、何でしょう」

「私は様付け、でも彼は殿よね。その違いは何かしら?」

「……機嫌を損ねてしまったのであれば、お詫び申し上げましょう。かねてより、女性には様付けを、男性には殿を敬語としていたのですが」

「なら、勉強不足よ。ビジネスメールなどに使うならともかく、話し言葉として使うのは間違いよ。貴殿ではなく、これからは男性にも様付けをするべきね」

 まあ、『騎士王』はバリバリで貴公呼びをしているのだが、彼女の場合は文字通り星が選んだ最高戦力なわけだし……ルリもそこまで怒ることは無いだろう。

 だがクレセンキャットの場合、ルリの認識ではこちらよりも立場が下なのだろう。
 ……俺からすると生物的に誰も彼もが、赤子すら上位存在なんだけどな。

「それに彼は──むぐっ」

「あははっ、申し訳ございませんねクレセンキャットさん。少し、熱くなってしまっているようで…………あのあのアズルさんや、たぶん言ってほしくないことだからね」

「は、はあ……」

 小声でルリを説得しておくが、おそらく失名神話関係の話か【救星者】のことだろう。
 どちらも理解している者は少ないし、知られていない方がいいことも多い。

 なのでこの場では黙っていてもらおう。
 ……ちなみに一番危ういのは、すでにプログレスには神の概念が存在して、それが俺の眷属神という扱いになっていることだな。

 そもそも、彼との会話にいいことがあることはルリ自身が招いたことで判明している。
 俺とて誰彼構わず敵対したいわけじゃないし、ちょうどいい間柄を築いていきたい。

「情報交流の件、ぜひとも参加させていただきたい。貴方がたの崇められておられる神様がどのような御方なのか、ぜひともお教えいただきたい」

「! ええ、ぜひとも。私どもも、貴……方様の崇められる失名神話というものがどのようなものなのか、より真に迫った情報を欲していたのです」

「あら、私も混ぜてちょうだい。とは言っても、私が話せることはあまりないけどね」

 ルリに関しては、ルリ自身が崇められている神様だからな。
 どんな話をしようとしても、人によっては自慢にしかならない気がするよ。

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