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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門終了 その04
しおりを挟む時を経て成長していく人々。
その裏には星の仕込みがあることを知ってしまった……いやまあ、今は無制限部門への対策を意識して、そっちは忘れるけど。
「──って、ん?」
あれこれ『SEBAS』と相談しながら対策をしていたのだが、[ウィスパー]に連絡が届いた。
「……ほーい、どうした?」
【あなた、同率優勝おめでとう!】
「ルリ、ありがとう。これもみんなが勝利を祈ってくれたからだよ」
【いいえ、あなたが頑張ったからよ。何もしない人に、運は味方しないもの】
システム的に、ルリというか命運神の祝福の効果は機能しない。
だが俺は信じている──俺に期待してくれる人々の想いは、必ずや意味を成すと。
そこにゲームとして補正が働くわけじゃない、それでも俺の意志を強くする糧になる。
……まあ、だからといって絶対無敵になれるわけじゃないけどな!
「ところで、急にどうしたんだ? こういうのは現実で言うと思ったんだが……」
【そうだったわ。あなた、これから時間を貰えないかしら? あなたに会いたい人が来ているの】
「……『騎士王』か?」
【彼女じゃないわ。別の人】
具体的に誰、というのをルリは説明しないのだが……彼女のサプライズなのだろう。
ここで問い詰めても答えてくれないのは経験上知っているので、さっさと返事をする。
「了解だ。俺はどこに行けばいい?」
【前と同じく、教会にお願い。そこで私に呼ばれたって言えば、問題なく通れるわ】
「オーケー、すぐに行く」
【──焦らなくていいわよ、お土産でも買ってきたら私も嬉しい物】
「…………あいよ」
通話を切れ、俺の意識は切り替わる。
──ルリといっしょに居る相手は、少なくとも純粋な善意でそこに居るわけではない。
そのことを遠回しに伝えてくれた彼女に感謝しつつ、同時に考える。
……ルリのことだ、分かったうえで俺がどうするのかを楽しみにしているのだろう。
「──『SEBAS』、観れるか?」
《教会は結界が展開され、外部からの侵入はできておりません。また、奥様に所有権を譲渡しているドローンも、起動が確認されていません》
「こっちから遠隔起動……は、どうせ無理だろうな」
《はい……ジャミングされております》
ルリの意識が俺の行動を期待しているのであれば、そうなって当然だ。
理由? だってルリだもん、それだけで十分である。
「これから俺たちはルリの所に居る誰かに、その力を知らしめなければならない。あくまで仮、試練の一環だ。そうじゃないと、ルリも今回みたいなやり方はしないはずだ」
完全に敵対している相手なら、ルリもまた相応の対応で速攻処理しているはず。
だがそれをしない、むしろ俺を呼んだ方がメリットな案件……いったい誰だろうか?
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