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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その34
しおりを挟む──“検索召喚”。
それは『愚かな賢者』より貰い受け、そのうえで全然使っていなかった術式。
だが公の場では初めて使ったこの術式により、【魔導勇者】の切り札の一つが消える。
「なにを……!」
「“検索召喚”、知っているでしょう?」
「──ッ! あのエセジジババァ!!」
何やら面白そうな呼び名で『愚かな賢者』のことを貶しているが、それも仕方がない。
おそらくこの術式が禁忌扱いなのは、間違いなくこの使い方を防ぐためだからだ。
本来なら外部に漏れないはずのソレを、かつてかっぱらっていった厄介な老人が一人。
……まさかその老人が、別の貴重な術式のためにソレを売り渡すのは想定外だったか。
「【魔導勇者】さんの術式、その根幹にはどうやらアレが使われているようですね」
「……チッ」
「なので阻害させていただきました。最低限貴方のオリジナルの術式、それだけは使わせてはいけませんので」
解析により『SEBAS』が暴いた、術式の秘密──それは召喚術により、これまでに放たれてきた事象を放っていたこと。
魔導世界の何所かにあるであろう、その事象を取り出してこの場に顕現させる。
正確にはその一部を切り取り、星杖の魔力で増幅して本物に近づけている、だろうか。
今回放たれるはずだった事象も、その座標から取り出されるはずだった。
しかしそれを、“検索召喚”により妨害できたため何も起きなかったのだ。
《──座標把握完了。異界『崩壊時空』へのアクセス阻害を実行中》
……本当に、成功してよかった。
かなりヤバそうな場所から取り出そうとしていたようだが、『SEBAS』がこれからはそれを防いでくれる。
本来は座標の把握はおまけのようなもの、だが片手間でできてしまうからこそ、その術式は危険視された。
「…………」
憎々しげにこちらを睨む【魔導勇者】。
ずいぶんと嫌われてしまったようだが、こちらも精一杯手一杯にやっているので勘弁してもらいたい。
ちなみにできるのは阻害だけ。
だいぶ前に精霊云々で、最近なら死霊術関連でやったやり取りに似ているのだが、俺に召喚術系統の適性が無いからである。
呼び出す穴を塞ぐことはできても、自分で穴を作って呼び出すことができない。
術式の概要は向こうも知っているので、そちらを警戒しているだろうな。
「…………やるしかない」
「!」
先ほど使おうとした術式もかなりのものだが、何やら呟いた【魔導勇者】から放たれる死の圧はそれ以上のもの。
展開されるのは膨大な魔力。
だがそれに術式を感じられない……魔動なのか? そう思った俺の考えは、半分正解で半分間違いだった。
「■■、解放──!」
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