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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その33
しおりを挟む最後のチャンス、とばかりに猛攻撃を始めた俺。
情報処理能力が落ちて、防御に手一杯な現状こそが最大の機会なのだ。
結界を蹴り、【魔導勇者】に一撃を与えては再び結界へ。
流れるような動きで、『闘匠』による防御無視の攻撃を放つ。
「──“除空”!」
「ッ!?」
だがそれも、被弾覚悟で術式の構築を行っていた間のみ。
発動したソレの影響によって、俺は宙に浮かんでいた【魔導勇者】から弾かれる。
これまでの傾向から、時空とかそういう感じの属性による術式なのだろう。
見えざる一撃にも“孤独蟲毒”で強化された肉体が対応、高度から受け身で着地する。
対する【魔導勇者】は宙に浮かんだまま。
そりゃあ飛行系の術式なんぞ、いくらでも持っているだろう──星杖を構えたその瞬間に、俺もまた動き出す。
「──“光聖”」
「っと、光速ですか!」
「──“光聖”、“光聖”、“光聖”……」
迎撃するように放たれる光線の雨。
その一つひとつが高い殺傷能力を秘めているため、易々とは通れない……いけなくもないけど、たぶん肉体が千切れ飛ぶ。
これは時間稼ぎ、相手方も準備が必要なのだろう。
だがそれは好都合、それと同時に危うくもある──そろそろ時間切れになりそうだ。
始まって早々に俺は死んでいる。
それは退場にならないのは、『超越生者』に内包された[称号]によるもの。
星敵としての補正もあるからか、条件次第ではたっぷり数十分の活動が可能。
……死んだ後が本番、とかそういうことは言わないでほしい。
《──旦那様、解析が完了しました》
「! ……ええ、そろそろ行きましょう」
ここで吉報が届いた。
これまで“術式鑑破”で盗み見ていた情報の解析を、『SEBAS』が終わらせてくれたようだ。
《【魔導勇者】の術式、その根幹にあるものは一致しておりました。ですが、その説明を行う前に結界の補助を開始します》
「では、ここからは一味違いますよ。どうぞご堪能ください」
「チッ、面倒な……」
動きの主導が擬・武神流による補助から、『SEBAS』による最適解に変化。
俺の命を顧みない機動……というか奇動により、“光聖”がより当たりづらくなる。
「もういい、準備ならこっちもできた。そろそろ終わりにする」
《【魔導勇者】の根幹、それは──》
星杖を頭上に掲げ、何やら大技を展開し出した【魔導勇者】。
その絡繰りを把握した『SEBAS』もまた、独自で術式を編み俺に展開させる。
「“時──」
《召喚術です。ですので──“検索召喚”》
「……っ!?」
俺が起動した召喚の術式、それによる影響が【魔導勇者】の術式にも及ぶ。
上空で展開されていたソレが、弾けるように霧散し──何も発動しなかった。
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