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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その31

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 氷漬けにされたものの、『SEBAS』がその術式を解析してくれたことで脱出することに成功。

 代わりにこちらを完全に敵として認定し、本気を出そうとする【魔導勇者】。
 勝つための手札は少ない、それらの使いどころを選ぶ必要があった。

「──『舞い踊れ、駆け上がれ』」

 選ぶのは結界を用いた立体機動攻撃。
 周囲に“生存結界”を展開し、それを足場にして次々と──

「──“土砂ツシャ”」

「っと……危ないですね」

「それは視た。同じ技が通じると思うな」

 移動を阻むように構築された、膨大な量の土塊の壁。
 それが触手のように手数を増やし、先端を尖らせたうえでこちらに向かってきた。

「それは残念。では、手を変え品を変えていくとしましょう!」
《──“孤絶ノ衣ウツロナルマトイ”、起動します》

 触手(尖)は俺の姿を見失い、その場で待機する。
 存在を遮断する術式、それを俺──そして展開している結界の一部に施していった。

 対する【魔導勇者】は星杖を一突き、触手が再び彼(女)の下へ集い警戒を始める。
 ある意味センサーなのだろう、ならばこちらは──

「っ……そっちk──ぐっ!」

『五感に対応した触手、ですか……お陰で不意も突きやすかったですよ』

「『生者』……」

『さて、次はどうしましょうかね?』

 声は『SEBAS』が音を一時的に封じてくれたものを、俺が移動してから解放して伝えている……なのでその在り処めがけて触手が飛来しても、俺にダメージは無い。 

 ちなみに何をやったかというと、存在を消していた結界にいろいろ付与して射出。
 音や熱、臭いなんかを付けた結果……そのすべてに対応されてしまう。

 だが唯一、存在遮断に加えて結界自体に隠蔽の性質を与えたものだけが通った。
 当人を狙わなかったのも良かったのか、迎撃に向かった触手を根こそぎ薙ぎ払う。

『……とはいえ、【魔導勇者】さんには何も攻撃できていませんからね。次の戦術を練るとしますよ』

「──そこだ!」

「おっと、正解です。やはり長期戦には向いていませんね」

 星杖の力の一つ、術式の解析。
 俺が『SEBAS』の力を借りて行っていることを、あちらもまた星杖を用いることで可能としている。

 ……が、欠点が一つ。
 俺はその負担をいろんな形で帳消しにしているのだが、【魔導勇者】にはそれができない──あくまでも、この試合限定だが。

 そのことを、『SEBAS』が予測していたからこそのこの戦い方。
 額に手を付け、ふらついた【魔導勇者】を見てそれが正しいことを俺は悟った。

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