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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その27

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 ──決勝戦の相手は【魔導勇者】。

 ありとあらゆる魔技を使える、そんなチート臭い力の持ち主である。
 ……これが開発技縛りの部門で無ければ、より厄介だったな。

「ちなみになんだが、体術なら勝てるとかそういう上手い話は?」

《……『プログレス』持ちが魔力を封印した状態で挑んでおりましたが、かなり高い技量の武術で反撃されておりました》

「まあ、想定済みだよな……」

《あるいはそれすらも、術式によるものかもしれません。いづれにせよ、【冒険勇者】に比肩する実力の持ち主であることはまず間違いありません》

 冒険世界における最強、【冒険勇者】。
 本人の実力だけでなく、文字通り最強になれる剣を持っているというチートな存在。

 どんな魔技でも使える【魔導勇者】は、それに匹敵するのだろう。
 おまけに武術もバッチリとくれば、本当に打つ手がない──ルール無用であれば。

「大会の仕様上、遺製具の使用や星具の使用には制限が設けられる。そこにおそらく、勝利の鍵があるはずだ」

《旦那様の仰る通りかと》

「まあ、今回は『愚者の石』に籠められる術式の内容もかなり決まってきちゃうな。最悪向こうに、パクられそうな気がするし」

 先んじて、『SEBAS』が手に入れてくれた映像を確認している。
 その中には、相手が放った術式をそっくりそのまま──強化した形で返すモノも。

 反射の魔技かもと思ったが、最悪は想定しなければならない。
 相手はチートの権化、そう考えるとむしろこっちの方がしっくりくるだろう。

「“生存結界”は必須、これで一。すでに晒しているから“孤独蟲毒”も仕方がない、これで二。三つ目か……ここに勝機を見出す必要があるのか」

 前回の試合でも、ここに『白氷』の模倣術式を入れたからこそ、ジーヂーから片腕をもぎ取り勝利できた気もするし。

 今回の権能持ちを再現した術式に? いやそれだとパクられるし最悪冒険世界側から苦情が……かといって、魔導世界の権能持ちだと想定済みとして処理されそうだ。

《でしたら旦那様、“■■■■”などいかがでしょうか?》

「…………それ、大丈夫なのか?」

《たしかに、完全な性能を発揮できるような場ではありません。しかし、それは相手も同じこと。むしろ、これを利用しようとする相手に、罠を掛けることも可能かと》

「おおっ、それなら行けそうな気がする。やはり執事、頼れる存在が居ることこそが重要なんだな」

 そんなこんなで、決勝への準備も万端。
 ──翌日、俺は【魔導勇者】と邂逅することになる。

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