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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その22

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 ついに攻防が始まる。
 俺自身の視界ではジーヂーの動きを捉え切ることができず、『SEBAS』による自動防衛に委ねることしかできない。

《旦那様》
「──“貼地路在”」

「ふむ、効果はあるのか?」

「さて、それは後のお楽しみに」

 準備が整った、そう告げる『SEBAS』へ応じるように術式の行使を代行する。
 バトルロイヤルの時にしか使っていないこの術式、それが出番になるのはまだ先だ。

 だが、この術式の準備を終えたことで解放されるものがある。
 ──対処に限度があった動きに、変化が生まれていく。

「むっ、動きが良くなったのぅ。これも今の効果か?」

「さて、どうでしょうね?」

 処理能力が抜群に向上した。
 すでに一度戦っていることもあり、動きをある程度予測可能なのだ……人間、癖をすべて伏せるのは難しい。

 後の先、ジーヂーが行動をし終わる前に結界を弾き中の体を動かす。
 すでに起動している“孤独蟲毒”、じわじわと強化される肉体が彼の攻撃を叩く。

 まだ能力値的には遠く及ばず、純粋な技量も敵わない。
 それでも蚊に刺されるより強く、きちんと子供が大人を叩くぐらいの火力は出る。

「──ぺしっとな」

「…………」

「それじゃあ、『爆弾』を爆発させますとしますか──『己が身を顧みず、彼が為の礎とならん』」

「ほおっ、こりゃあ躱し切れん」

 死んだ際に発生する爆発効果。
 それは『人間爆弾』によるもの、加えて複数の[称号]の効果が相乗してその火力を更に高める。

 生じる爆風がジーヂーを襲う。
 二度目以降はともかく、この一発目だけは届く──だがその一発、それだけで求める効果を出すことができた。

「……腕一本で済んだ、と言うべきか?」

「ええ、殺すつもりでしたので」

「ふむ、ならば良し」

 振るえる力の何割かを、削ぐことに成功した……のだろうか?
 ここから腕を生やされたらおしまいだが、この試合でポーションは使えない。

 腕を生やすスキルも使えないし、オリジナルの武技にも現状腕を生やすレベルの代物は無い…………はずだよな?

「あ、あの、腕……生やせますか?」

「さすがにそれは、武人では無かろう。お主の前の対戦者であれば、できそうじゃがな」

「あっ、はい」

「まあ、腕が残っていればくっつけることもできたんじゃが……アレではさすがに、使い物にならんわい」

 うん、武人is何?
 腕はこんがり、というか炭化レベルまで焼き尽くされているので、どうやら再利用はできないようだ。

 これで正真正銘、相手は片腕一本になってくれた……これでも全然油断できないのが、ジーヂーの恐ろしいところである。

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