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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その19

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 権能持ちの持つ術式や能力、その再現は単一では難しい。
 第四回戦では劣化版で再現できてソレを一つ加え、参加してみることに。

≪赤コーナー、ついにここまでやってきた。謎の擬・武神流は果たして彼の男にも通用するのか──ノイズ!≫

 徒歩での移動をしながら思う、あっこれもうダメだなと。
 何というか、説明の段階でもう相手が誰なのか分かってしまう。

≪青コーナー、ついに因縁の決着だ! ここまで、猛者たちを己の武術だけで倒してきたこの男。しかし、前回大会は準優勝。では優勝は誰、ここで勝てばもう関係無い! さぁ実力をここに示せ──ジーヂー!!≫

 ここまで露骨に応援されていると、こちらも唖然として何も反応できなくなる。
 というか、俺はノイズであってアンノウンでは無いのだが……いやまあ、今更か。

 転送陣で舞台上までやってきたジーヂーの姿は、三回戦を観戦したときと同じ。
 だがなぜだろう、妙に死亡レーダーが鳴り響いている気がする……。

「久しいのう」

「……はて、初対面では?」

「はっはっは、この老いぼれよりも先に脳のボケが……っとと、そうだったそうだった。今のお主とは、初対面じゃったな」

「え、ええ、そうですよ?」

 ショウの指導役も務めてもらっている相手なので、雑には対応できない。
 対応できないのだが……やっぱり、物凄く嫌な予感がするな。

「さて、ノイズじゃったな。儂の試合を観ていてくれたようじゃが……どうだったか?」

「ええ、とても素晴らしい武術でしたよ」

「そうかそうか……お主、ではなく前回の試合に敗れ、儂も精進した。新たな技や道具も集めたがそれは結果論に過ぎん。じゃが、真に磨いたこの力、それをお主にぶつければ何か答えが出るかもしれんのぅ」

「残念ですが、それは無いですね。私が勝つと決まっているのですから」

 会場中が歓声を上げていた。
 まだ準決勝だというのに、さながら決勝かと思いそうなほどの熱量である。

 対戦カード的にはまあそうだし……じゃない、俺はノイズだった。
 まあともあれ、大衆としてはそういう認識なので盛り上がっている。

「ふむ、それは拳を合わせれば分かること。無論、お主が他に何をしても、儂はそれを打ち破ってみせるがのぅ」

「それはそれは、とても素晴らしい。であればこちらも、全力で向き合うのが礼儀というものですね。いいでしょう、『林檎』は使いません。それでも勝ちます」

「……使ってくれても構わんが、まあ儂には通じんぞ?」

「何となく、そんな気がします」

 理論上、全身にエネルギーを纏えば無効化できるからな。
 タネは[掲示板]でもかなり暴かれていたし、やるだけ無駄になるからやらない。

≪それでは準決勝──試合開始!≫

 そして、試合が幕を開く。
 俺たちは共に──様子見から始めた。

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