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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その17
しおりを挟む擬・武神流、ありとあらゆる状況に応じた動きを可能とする我流武術。
だがそれだけでなく、魔動と魔術を利用した魔力運用技術も組み込まれていた。
要するに、武技名を謡うことでそれに応じた特殊な補正が発生する。
……武技自体そういうものが多いので、今はまださして気にされることは無いだろう。
≪試合終了、勝者──ノイズ!!≫
巨大な樹が生まれ、消えたと思ったら壮絶な空中戦が行われたこの試合。
そこに前回のような反感を買う要素は無いため──好意的な歓声が会場中を包み込む。
「さて、行きますか」
「──少し、いいかな?」
「コンゴウさん……良い試合でした」
「ああ、それは同感だ」
さっさと退場しようとする俺を止めた、対戦相手であるコンゴウ。
差し出された手を掴み──死亡しながら、会話を続ける。
「君とはいづれ、また違う形で顔を合わせたいね。その手札の数、私のキメラビルドと相性がいいと思うんだ」
「それは大変光栄です……ですが、このような身。のっぴきならない理由もありまして、あまり表舞台には出れないのです」
「そうかい……それは残念だ。[フレンド]の登録もダメかい?」
「[フレンド]? あっ、問題ありませんが連絡がつくかどうか……少々特殊な場所に居ることが多く」
流れでお互いを[フレンド]として登録しつつ、少々の会話を終えて離れた。
連絡はまあ、[メール]系ならば時間が空いた時に応えることができるんだけどな。
◆ □ ◆ □ ◆
「──これがEHOの中じゃなかったら、間違いなく筋肉痛だったよ」
《最適化された動きには、旦那様への配慮がございません。あまり、重ねての行使は控えた方がよろしいかと》
「それぐらいしないと勝てない相手だった、ということにしよう」
元の『偽・武神』プログラムの頃からそうなのだが、動きのすべてが相手に対する最適解──俺の肉体を無視したうえで、強制的に体を動かしての戦闘だった。
当時と比べてもその負担度合いは向上しており、俺の体がいろんな意味で特殊で無ければ、休人だろうと酷い痛みに苛まれていたことだろう。
「やっぱりまだまだ、『擬・武神』なんだよな……目指すのが武の神なのか、諸々込みの戦の神なのかはともかく。完成には程遠いのは間違いない」
イメージ的には、純粋な武術が武神で今回の詠唱というか魔力的要素込みが戦神だ。
しかし『スペルクリエイター』で組み込んだそれらは、あくまで武術の延長線。
突然何もない場所から自然現象が発生するなんて、不可思議なことはできない。
……せいぜいが、生体電気や摩擦による発火で雷や炎を纏うぐらいだな。
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