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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その13
しおりを挟む二日目となった開発技部門。
トップバッターとして登場したのは、俺もかつて戦った武闘世界のジーヂー。
危なげなく勝利した彼とは、もしかしたらまた戦うかもしれない。
そんなことを思いながら、俺もまた呼び出されて舞台上へと向かう。
≪さぁ、続いての試合です! 赤コーナー、今もっとも危険視されているコイツだ! 相手を瞬殺、だがそのやり方はもうしないと宣言! どれだけ挑発すれば気が済むんだ、今度は何をする──ノイズ!≫
大批判、と言わんばかりに様々な物が投げつけられている。
やはり『林檎』は凄いな、一回使うだけでここまでヘイト値を稼ぐのか。
そんな効果を付けた覚えは無いが、やはり正式名(仮)の名前に、偉人の名前を取ってつけたように入れたのが悪かったのか?
≪青コーナー! 彼は言った、どんな技も俺には通じない。膨大な手札の数は、敵への封殺コンボを導き出す! 最大の防御は守ることじゃない、捌くことだ! ノイズの悪辣な技を超えられるのか──コンゴウ!≫
向かい側に転送されてきたのは、ごくごく普通の──ゴリゴリなマッチョ。
何というか、筋肉があれば問題ないとか言いそうな感じの肉体美を見せる男……漢だ。
「君がノイズか……ふむ、以前の私であれば筋肉が可哀そうと言っていたかな。その隠蔽で筋肉を隠しては、誰にも見てもらえないではないかとね」
「では、今は違うと?」
「この名前、コンゴウはもともとダイヤモンドとしての金剛をイメージしていたんだ……だが今は違う。それを今から、身を以って君には学んでもらおう。もちろん、先の攻撃をしてくれても構わないよ」
「それはご勘弁願いますね。ええ、アレが無くとも勝つことは容易ですので」
金剛、つまりとても堅いということ。
だがそれはアナウンスによって、違うことが証明されている。
休人の名前って、基本的に一度設定すると変更できないからな。
まあそれはそれとして、戦いに挑もうじゃないか。
≪それでは三回戦──試合開始!≫
開始した瞬間、コンゴウは迷わず動いた。
実際、『林檎』こと“ニュートンの林檎”には対象の捕捉が必要なので、もし使っていたならばそれも正しいだろう。
牽制のために“千変宝珠”で加工した魔力球を飛ばしてくのだが、軽やかな足取りでそれらをひょいひょいっと回避するコンゴウ。
そしてこの時、コンゴウの容姿に変化が生じていた。
何というか、引き締まった足が……物凄く毛深く、それも体毛に覆われていたのだ。
カモシカのような脚、という表現があるがまさにそれ。
脚の部分だけが、まるで換装されたかのようにまったくの別物になっていた。
「金剛、転じて混合ですか……言葉遊びが得意なようですね」
「ふっ、偶然さ。今の私はいわゆるキメラ。君が何をしようとも、私の持つ力の数で押し切ってみせよう!」
キメラ、つまり様々な種族の力を保有している存在か。
ある意味、『覇獸』と似た力だな……本当に厄介である。
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