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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その11
しおりを挟む観客を煽ってみた。
大丈夫、家族からは好意的な[メール]が来ているから……内容はまあ見てないので、想像でしかないけど。
二回戦で使った“ニュートンの林檎”をもう使わない、なぜならそれを使う必要が無いから……だって参加者が弱いから、なんて舐めプそのものな台詞も言ってしまっている。
こういう時、ノリだけで動いて何も考えてないのは昔からの悪い癖だ。
まあ、そんな人間でも無ければ、ランダムスタートなんてやらないんだろうけどさ。
「ただまあ、もし『林檎』無しだったらどうなっていたことやら……たぶんあの魔装、相当ヤバかったよな」
《解析は弾かれました。おそらくは、加工された遺製具だと思われます。効果は旦那様の想定通りかと》
「元ネタ通りだって言うなら、[ログイン]状態を維持したまま封印……みたいな感じになるのか? うん、俺の天敵だな」
死んでも即座に復活できるからこそ、俺の擬似的な不死性は成り立っている。
だが考えた通りの効果を、先の黒の剣士が持っていたなら……かなり危うかった。
そういった意味では、事前に嵌め殺す算段で動いていたのは正解だったかもしれない。
何もさせないまま終わらせる、唯一無二の最適解だろう。
「さて、術式の方をどうしたものか……今回は出番の無かった術式はそのまま運用すればいいんだが、『SEBAS』用の方がな」
《予選では魔技、一回戦で体術、二回戦ではまた魔技を。順当な流れで言えば、三回戦ではまた肉体での戦闘となるかと》
「……順繰りのまんまで勝てる相手がここまで残るのか、って疑問が残るんだよな。というか、ほぼそうなるだろうし。いっそ、これまでに習ってきたヤツでも使うか」
錬金術をベースとした戦闘系生産術の錬産術、他にも生産世界でいくつか見せてもらい学習した生産要素を絡めた戦闘術を、俺は保有している。
ただのパンチで一回戦を突破しているし、おそらくスキルを経由した武技や魔技を使わなければ借り物でも問題無いのだろう。
「って、そもそも使えるのか?」
《……システムの補正が一切関与していない状態であれば、おそらく問題はないかと。今回の部門、かなりそれらの規制は緩くなっておりますので》
「まあだろうな。どこまでがオリジナルで、どこまでがパクリの範疇になるのか……そういう部分が何にもなかったし」
究極的なことを言えば、武技なら一番初期のただ斬撃や刺突を放つだけの技、魔技なら属性のエネルギーを生み出す技──それらを部分的に使っているのですべてパクリだ。
だがそうはならないのは、武技や魔技もまたそこから異なる形で技が作られているからだろう。
考えている俺のケースは、見様見真似が思いのほか本物に似ているというパターン。
無いわけでは無い、というギリギリを試してみようと思う。
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