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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その05

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 本選に向けて、『愚者の石』にセットする術式を一部変更することに。
 今回の縛りは開発者、あるいは開発者から正式に借りた者しか開発技は使えない。

 まあ、数がどれだけあっても使いこなせなければ意味無いけどな。
 ……そういった意味では、ある意味俺自身が一番それに該当する気がするが。

≪赤コーナー、冒険世界より参戦。もしかしてもしかして、例のあの人なのか!? 真実は己が眼で確かめろ。予選では空を飛び、結界を張り、大洪水を生み出した。初戦はいったい何をする──ノイズ!≫

 いよいよ俺の初戦となり、入場を行う。
 毎度のことながら転送陣を使うと死んでしまう虚弱な体なので、それを用いず歩いての登場である。

 ちなみに、俺以外にこの登場方法の参加者が居ないかというと……ゼロではない。
 登場の瞬間から仕込みを入れたい場合、舞台に突然上げられると困るからな。

 そうして入ってきた俺を迎えるのは、多くのブーイングと少々の歓声。
 前者はともかく後者にはびっくり、暗黙の了解とはいえやっぱりバレているよ。

≪青コーナー、冒険世界より参戦。箱庭より得た新たな力、魔動機盤。その使い手として今、彼はトップの実力を手に入れた! 予選では見えざる攻撃で参加者を脱落させた。今度は何を見せてくれるのか──サスオニ!≫

 初戦の相手は普通に転送陣から登場。
 機動隊のような現代的武装、そして腰には二丁の銃を下げた青年。

 近接戦もできる銃使い、だろうか。
 だが見た目云々よりも、気になるのは先ほどのアナウンス。

「……妹さん、居るんですか?」

「ああ、自慢の妹だよ」

「…………空想の、ではありませんよね?」

「今すぐに撃ち抜きたいんだが?」

 いやほら、名前がさ……ねぇ?
 自称愚兄賢妹なお兄様的なイメージしかしないわけで、そのロールプレイ的なものをしているのかと。

「魔動機盤ですか。ずいぶんと手が早い」

「解放される前から、あそこには目を付けていてね。プログラムの勉強もして、魔動をいくつか作ることに成功したよ」

「そうなると、貴方が開発したものは魔動ということになりますね」

「見ての通り、とでも言っておこうか」

 二つの銃がもし魔動機盤だとすれば、戦闘に用いることも加味しておそらく扱えるのは最高で18ほど(9×2)。

 機械箱庭の外なので一部制限は掛かっているだろうが、本選に出ている時点で強い。
 ……ついでに言うと、魔動機盤だけが彼のすべてじゃないだろうしな。

≪それでは、一回戦──開始!≫

 相手がもし元ネタを完璧に再現できているのであれば、厄介なことこの上ない。
 そうではないことを祈りつつ、戦うための術式を構築していくのだった。

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