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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その03

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 上空待機で無敵状態。
 結界を展開しつつ、最後に残った二人に対して洪水を解き放った。

 そして──

「……おや、お一人残りましたか。しかも武技の使い手が」

「……ッ! ハァ、ハァ……」

「精気を球状にしたバリア、といったところですかね? それであれば、なるほどといった消耗でしょう、お疲れ様です」

 どうやら一人、武器を突き立てたうえで周囲を密封することで耐えていたらしい。
 もう一人居た参加者は術者だったのだが、そちらは水圧に負けて流されていった。

 だがそれはほぼ奥の手、絶対防御の姿勢を見せてしまっている。
 他にも手が無いというなら、彼の参加者は次の試合でおしまいだな。

「アンタ、名前は?」

「『ノイズ』、それ以外は名乗りませんよ」

「……なら、また会ったら教えてくれ。今度は本当の名前を」

「そうですね、考えておきましょう」

 うん、考えるだけ考えておこう。
 考えたからといって、正直に言うかはまた別として。

  ◆   □   ◆   □   ◆

「……『SEBAS』、大丈夫か?」

《問題ありません……ですが、申し訳ございません。旦那様の補助が最低限となってしまうほどに、制限が掛けられておりました》

「『セバスチャン』を使って、ようやくだったしな。事前インストールのみ、追加は不可とかやってくれたよ本当に」

 移植された『プログレス』を前提として、参加している者たちのために、最低限使うこと自体は許してくれているこの部門。

 しかし“神持祈祷”対策なのか、自らの持つ『プログレス』以外は使えない仕様。
 俺の場合、インストールで試合開始前に仕込んでいれば問題無いが、後出しはダメ。

 前回参加したときに、ばっちりやっていたのを見られているからな。
 今回は残念ながら使用不可、ついでに言うと平時の連絡用の装置も繋がらなかった。

 だからこそ、『セバスチャン』を事前インストールして参加したこの予選。
 体を操作してもらい、空に描いた魔法陣から膨大な水を生み出してもらったのだ。

「使える術式は四つ、『SEBAS』が一つと石で三つだな。確認だが、それ以上は無理なんだよな?」

《二つ以上となりますと、時間が掛かるだけでなく旦那様へのご負担も比例して増大してしまいます。二つで発動後に死亡、三つ以上は展開中から死んでしまいます》

「命懸けで術式を……ってのは定番だが、それ以前の話だよな。まあ、結局始まったらもう死ぬのは大前提になるんだろうけど」

 今回は死なずに戦えたが、本線参加者にそれが通じるわけも無い。
 死後活動できる能力や[称号]で耐えて、その間に勝つ……それしか無いのだ。
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