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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その02
しおりを挟む開発技部門の予選が始まった。
バトルロイヤル形式で行われたこの試合、ノイズが滞空状態で最後に参戦し、二人になるまで殺し合いが幕を開く。
「仮名:滞空用術式改め──“貼地路在”、まあ上手くいって良かったです」
現在、発動しているのは三つの術式。
普段は鞘に仕込んでいる結界を最適化した術式、周囲の認識を『ノイズ』として書き換える術式、そして宙に居るための術式。
それらはすべて『愚者の石』に登録され、媒介としてそれを用いて発動している。
いちおう合法として機能しているようで、ほっと一安心したのは内緒だ。
「……っと、さすがに仕掛けてきますか」
結界にぶつけられる対空用の攻撃。
大半は魔力を用いたモノなのだが、稀に武技のように武器の射程距離を拡張して攻撃を放つ者が何人か現れだす。
逆に言うと、それができない連中はすでに退場していた。
そして俺を狙うという考えを彼らが共に抱いた結果、今があるわけだが……。
「いやまあ、こうなりますよね」
「──隙あり!」「っ、テメェ!」「はっ、あんな強キャラを狙うぐらいならお前ら落とした方が楽だろうが!」「ならお前から先に落としてやるよ!」
みんなで一発ずつ、みたいな感じでまずは俺を狙ったようだが……クールタイムが短いか遠距離攻撃が複数ある連中は、すぐさま俺以外のヤツに攻撃を行い始めた。
……俺に当たる前から準備をしていたとしか思えないが、それはともかく。
同士討ちが多発した結果、舞台に残るのは僅か二人となった。
「こうなると、同じ構図ですね……どうですか? ここは二人仲良く、脱落してみるというのは?」
「「お前が落ちろ」」
「……残念です。でしたら、切り札を一つお見せしましょうか」
発動している術式は三つ。
ここで追加の術式を使うためには、一度使用中の『愚者の石』を下げ、使いたい術式が装填されている物に切り替える必要がある。
つまり、それをした時点で俺は死ぬ。
……『SEBAS』と確認したことで発覚したのだが、自力で編む術式はともかく、アイテムでの開発技行使は制限付きだった。
だからこそ、これまで一度として言葉を紡いでこなかった『SEBAS』の活躍が日の目を見ることになる。
《──お待たせしました、演算完了です》
「では、さようなら」
「「ッ!?」」
俺の上に魔法陣(的なもの)が投影され、術式の構築が完了。
そこから現れるのは──とにかく膨大な量の海水。
これは『真海の主』を模して完成させた、海水支配の術式……のごく一部。
具体的に言うと、水を生み出すという部分のみを切り取って創ったもの。
滝のように溢れ出す水の勢いを、二人はどうにか防ごうとする。
だが『SEBAS』が開始時点からずっと編んできたものなので、とにかく多い。
──結果として、術式が終わった頃には試合終了のアナウンスが鳴り響くのだった。
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