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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会開発技部門 その01

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 かつて闘ったジーヂー。
 今はショウの師匠として、お世話になっているのもあるし、いづれは顔を合わせて話がしたいものである。

 ──対策らしい対策というのも、正直できてはいないが、それでもその日は訪れた。

「……準備は?」

《問題ないかと》

「さて、それじゃあ行きますか」

 VIP待遇のホテルの一室、俺たちは最終確認を行っている。
 窓の外から見えるのは、登録開始日同様の大混雑……そして打ち上げられる空砲。

 今日は闘技大会の開催日、内容は開発技縛り部門だ。
 誰もが見たことの無い新たな技を見るために、そして魅せるために集まっている。

「ちなみに今回もまた、予選はあるのか?」

《はい。バトルロイヤルでの選別にて、二名ずつに絞られるようです》

「魅せたい技も、そもそも見せる場所が無ければ意味が無いよな。俺もそれで脱落する可能性があるし……気合を入れないと」

≪定刻となりました──転送を行います≫

 そして、時間となった瞬間。
 人々の脳裏に告げられる宣告。
 足元に転移陣が展開され、俺を戦いの舞台に連れて──いかなかった。

「『SEBAS』」

《はい。座標の解析完了──特殊エフェクト付き転送を実行します》

 祭りには余興がつきもの。
 家族を盛り上げるためにも、少しは楽しんでいかないとな。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 ──参加人数:63/64

 コロシアムの舞台上に集められた63人の参加者たち、だが一人足りない。
 同時に転送されるはずなのに、それはなぜだと誰もが考える。

 あるいは不参加なのか? 手間が省けると思い始めた時──それは起きた。

『ええ、ええ、お待たせしました。遅ればせながら、私も参戦させていただきましょう』

 その声は上空から、誰もが警戒の色を濃くして見上げる。
 そこには──

『はて、正しく私を認識できている者が居るのでしょうか? これもまた、私の我流の術式ですので、ルールには反していないはず。名は『ノイズ』、お察しの通り偽名ですが』

 目で捉え続けるのも難しい、ノイズ塗れのナニカが居た。
 自分たちがこの場に来た時とは違う、世界が軋むような情報の嵐ノイズと共に。

 背の高さや骨格、仕草や動きから男性と分かる者は居たが、誰かと分かる者は居ない。
 それでも、ただ者じゃないと誰もがソレを見定めだす。

≪全参加者の転移完了を確認しました──各会場、残った二名が次へ向かえます。共闘するもよし、独りで生き残るも良し。制限時間は五分、それ以上を過ぎた場合は多く退場させた方が突破となります≫

 そして、戦いが幕を開く──ノイズの姿は上空のまま。

(((((……攻撃が届かねぇ!)))))

 武技を開発した参加者たちは、自らの攻撃が上空に届かないことに気づく。
 普段はそれでも、射程を拡張する武技やスキルの補助で攻撃はできる。

 だが今回に限り、それらは一切機能せず純粋に自らの力で攻撃せねばならない。

「──“グラビティゾーン”!」

「あっ、テメェ!」

「これも戦術!」

 だが、元より外部へ解き放つ形式である術式の使い手には関係ない。
 自らが開発した術式ゆえの拡張性、上空をも対象として重力場をある参加者が行使。

 ──戦いは幕を開いた、ノイズもまたその中に。

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